AKB48が9月19日に発売する53枚目シングル「センチメンタルトレイン」が、SKE48松井珠理奈(21)が参加しないまま発売されることが発表された。

 もともと6月の世界選抜総選挙で1位になった松井がセンターを務める予定だったが、体調不良で6月から休養に入っており、発売を待つファンのことを考えれば仕方ないところだ。年の1度のビッグイベントで歌唱メンバーを決め、レコード会社も自信を持って売り出す作品だけに、苦渋の決断だったことだろう。

 この曲は7月にテレビの音楽番組で初披露された。その際のフォーメーションが、とても興味深かった。本来、16人分あるポジションに、いくら数えても15人しかいない。2位だったSKE48須田亜香里(26)と、3位HKT48宮脇咲良(20)がダブルセンターのように見え、曲の歌い出しも2人で担当している。関係者によると、見え方が不自然にならないようなフォーメーションで、しかも、上位3人で歌い出すように歌割りをしたという。

 この曲をめぐってもう1つ、興味深いことが起きた。8日にコンサートでこの曲を披露したAKB48チーム8も、15人バージョンで歌ったのだ。もちろん、空けているのはセンターポジション。関係者は「珠理奈さんより先にセンターに立つメンバーにかかる、不測のプレッシャーを考慮して」と説明した。つまり、松井が復帰しない限り、この曲は今後も15人で披露される可能性が高いということだ。16人バージョンで披露した時に初めて、意味が分かる振り付けもあるという。

 かつてSKE48の研究生が歌った「目が痛いくらい晴れた空」は、出演できないメンバーがいても、そのポジションを空けたまま披露した。卒業メンバーが出ても、同じようにポジションを空けていた時期があった。オリジナルメンバーに敬意を表してのことだった。

 「センチメンタル-」のミュージックビデオや音源についてレコード会社は、「将来的に彼女の体調が回復した際に再撮影を行い、再編集の後、あらためて作品として完成させる予定です。また、音源に関しましても、同じ方向で検討しております」としている。CDが発売されても、完成しない楽曲。松井がセンターに立ち、初披露される時に、どんな姿を見せるのだろうか? そして、松井はどんな表情で歌うのだろうか? まさかのアクシデントが生むであろう「物語」を、松井の回復を祈りながら待ちたい。