NMB48加藤夕夏(24)が、11月3日に大阪城ホールで行われる「11周年記念コンサート」について、思いを語った。(取材・構成=村上久美子)

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加藤は結成翌年の11年12月に3期オーディションで合格。来年2月にデビュー丸10年になる。

加藤 すさまじく長くもあっという間でもあり、遠い昔でもあり…。この10年でいろんなことを学び、私自身、違う加藤夕夏になったような。濃い経験です。

加入即、ダンサーとして頭角を現し、研究生時代にシングル選抜された。

加藤 この10年、自分の考え方とか、人間関係の関わり方とかが変わりました。同期が減っていく中、活動している一瞬、一瞬、周りのみんなの大切さを分かったというか…。

次世代エース候補とも言われた薮下柊らと、しのぎを削り成長してきた。その藪下ら同期が活動を終える中、武器を磨き、ダンスユニット「だんさぶる!」としても活動を続ける。

加藤 自分次第で変わるということも学びました。「やりたい」「やるんだ」って。思いが、実行できるようになりました。今では、コンサートでも、ダンスコーナーやユニットコーナーも、もらえるように。

1期生は全員卒業し、8期生の募集も終わり、先輩の立場になった。

加藤 (OGの山本)彩さんとか、私たちが見てきた先輩の背中は女子だけど、かっこよかった。アイドルだけど、かわいいだけじゃない。私も芯の通った背中を見せていきたい。自分次第で未来は変わると伝えていきたい。

この10年、本気で「辞めよう」と思ったことは1度もないという。

加藤 心の中でしんどいな、とか、挫折、無理! っていうのはありましたけど、「辞めよう」「辞めたい」と言う方がつらかった。私が先輩を見てきて、思ったのは「辞める前にできることあるやろ」っていう気持ちでした。

創設時からの絶対エースだった山本彩は、卒業時、メンバー個々に手紙を送っていた。加藤も支えになる言葉をもらったという。

加藤 「うーか(加藤)はギャップとかいいところがたくさんある。アイドルをまっとうできたらうれしい」と書いてくれて、やりたいことをやって、前に進んでいけばいい、やりきろうって思えました。

ダンスを武器にしてきた加藤にとって、NMB48どころか、AKB48グループきってのダンサーだった山本彩はあこがれだった。それでも同期の卒業が相次いだ頃、焦ったとも言う。

加藤 ダンスの先生に将来を相談したこともあります。でも、劇場で踊ることが好き。それを伝えたら「今、やりたいことがここにあるなら、今それをやればいい」と言われて、そっか! って。私は私(の道)でいいって思えた。

ダンス表現力も磨いた。

加藤 昔は歌もダンスも、どうやったら正しく歌えるか、どうやったらうまく踊れるかって考えていたけど、今はどうやったら伝わるかを考えて。うまい、下手より、どうやったら感じてもらえるかって。

いつも笑顔で全力投球-加藤らしさを失うことなく、活動を重ねてきた。

加藤 今年は外部の舞台出演を目標に掲げていて、11月に「劇団そとばこまち」さんの舞台が決まり、ひとつ目標は達成できました。次の、来年の目標はミュージカル出演です!

夢は昔から変わらない。ミュージカル女優だ。

加藤 ずっと(加入前から)ダンスを頑張ってきて、今も夢は変わりません。(コロナ禍で)劇団四季さんの舞台を見に行って、あらためて思いました。「リトルマーメイド」のアリエルをやりたいですっ!

近く仲間に加わる8期生にも思いを伝えた。

加藤 「私はこれがしたい」って初っぱなから口にできるような積極的な子がいいな。いきなり「ドラマに出たいです」とか! 

中学でグループに加入したダンス好き少女も、すっかり大人。先輩になった。11周年コンサートでも、後輩を引っ張る覚悟でいる。

加藤 1期生が全員卒業して、どうなっていくんやろ? って思われてる人も多いと思います。先輩たちがバチバチやって、私たちを引っ張ってくれたように、私も後輩を引き連れていきたい。ダンスパフォーマンスで引っ張って、メンバー1人1人の個性も引き出せたらと思います。

◆加藤夕夏(かとう・ゆうか)1997年(平9)8月1日、大阪府生まれ。11年12月に3期合格。小学3年からダンスを習い、ダンサーの多かったグループでも秀でた技量を発揮。12年8月「ヴァージニティー」で研究生ながら初選抜。同10月チームB2結成にともない正規昇格した。選抜回数21回の主力。身長164・6センチ、血液型A。愛称「うーか」。