SKE48研究生の藤本美月(17)が29日、名古屋のSKE48劇場で行われた研究生公演を最後に卒業した。保育士になる夢をかなえるため、昨年から卒業を考えていた。5月6日の握手会が最後の活動となる。

 アンコールでは、同期の5期生13人全員で「目が痛いくらい晴れた空」を披露した。大の仲良しだった岩永亜美(19)とは、「わがままな流れ星」を歌った。岩永から「『別に寂しくなんかない』って言っていたけど、本当はすごく寂しい。このまま今日が終わらなければいいのに」と涙で告白されると、「5期生が全員そろって、私のため泣いてくれて幸せだなって思います」と目を潤ませた。

 藤本は11年11月に初ステージに立った。器械体操の経験を生かし、昨年大みそかのNHK紅白歌合戦では、鮮やかなバック宙を決めた。話題の研究生で、将来を期待されていた。「支配人さんやマネジャーさん、家族はみんな『やめるのはもったいない。もうちょっと頑張れるよ』って、私を思って言ってくれました。でもやっぱり、自分で悩んで、進まなきゃって思った道に進もうと決めました」。13日のグループ組閣でチームK2昇格が発表されており、悩んだ末の決断だった。

 実生活では4人きょうだいの長姉で、メンバーの面倒見がいいことから「5期生のお母さん」と親しまれた。最後はファンに「何歳になっても、夢は持てると思います。何でもいい。大きなことでも、小さいことでもいい。夢を1つ、持ってください。夢を持つと、そのために頑張ろうと思えるんです」と、しっかり者らしいあいさつでステージを去った。