30日に開催予定だったAKB48グループの東京・国立競技場でのライブが、荒天のため中止になった。

 開演3時間前に中止…決断は正解だった。大阪・長居公園でのa-nation、東京・秩父宮ラグビー場のNEWS公演と、2年連続で野外ライブで荒天が原因の事故が起きており、安全管理の徹底が問われる時代だ。加えてこの数年、日本列島の気象は不安定で、突風、ゲリラ豪雨などで、甚大な被害を受けた地域もある。現実にこの日の国立競技場周辺は、午後8時ごろから激しい雷雨に見舞われた。中止発表の後、一時は晴れ間ものぞいたが、同7時30分ごろには大雨になった。公演を強行していれば、終盤に大混乱が起きていたかもしれない。

 大島優子(25)は悔し涙を流したが、自然には勝てない。では、代替公演はどうなるのか?

 2020年東京五輪に向けて、7月から改修工事に入る国立競技場は今後、週末に予定が詰まり、AKB48グループ側も、6月7日のAKB48選抜総選挙開票イベント(東京・味の素スタジアム)まではスケジュールが取れない状態。となると、同イベント後、もしくは当日に開票と分けた公演を行う案が浮上する。昨年の開票イベントにおいては、梅雨時期を考慮して日産スタジアムを翌日も押さえていた。運営側が今年も同様に対策していれば、開票イベントの後日に開催できる。

 ただ、AKB48総合プロデューサー秋元康氏の口癖は「予定調和を壊してこそおもしろい」。国立公演の中止というダメージをチャンスに変える策略に、思いを巡らせてるに違いない。【担当・瀬津真也】<荒天と野外イベント>

 ▼落雷で死亡事故

 12年8月18日、大阪・長居公園で行われていた野外コンサート、a-nationの開演前、会場近くに2回落雷があり、女性1人が死亡、計9人が負傷。公演は2回目の落雷から約1時間半後に始まった。同日は昼から豪雨で、落雷数分前に大雨警報が発令。遺族は情報収集、避難誘導など安全面の確保を怠ったとして主催者側を提訴。

 ▼雨にぬれて過呼吸

 昨年7月27日、東京・秩父宮ラグビー場で行われていたNEWS公演は、コンサート中に雷雨で中止。低体温となったとみられる観客約70人が過呼吸などの体調不良を訴え、数人が救急搬送。

 ▼嵐は国立で順延と演出を変更

 昨年9月2日、3日に開催予定だった嵐の国立競技場での公演は、台風で2日の開催を順延、3日、4日での開催に。さらに両日の公演とも強風を考慮し、フライングなど一部演出を変更した。