- 芸能メニュー
-
- シネマメニュー
-
作品紹介
ウォーター・ホース
- 出演
- エミリー・ワトソン、アレックス・エテル、ベン・チャップリン、デヴィッド・モリッシー
- 監督
- ジェイ・ラッセル
- 配給
- ソニー・ピクチャーズ
- 上映時間
- 1時間52分
- 公開日
- 2月1日(金)よりサロンパス ルーブル丸の内ほか全国ロードショー
予告編映像配信中
Real Player映像
Media Player映像
ストーリー
いつもひとりぼっちの少年がいた。彼の名前は、アンガス・マクマロウ(アレックス・エテル)。時は、第2次世界大戦の真っただ中、少年は戦地へ行ったまま音信不通の父親の帰りを、ただひたすらに待っていた。神話と伝説が息づき、美しい森と湖に囲まれたスコットランドの村で、母のアン(エミリー・ワトソン)と姉の3人で暮らしているアンガスだが、大好きな父親がいない寂しさは、誰にも埋めることはできなかった。そんなある日、アンガスはネス湖で青く光る不思議な卵を見つけて、こっそりと持ち帰る。そこから生まれてきたのは、今まで1度も見たことがない生き物だった。最初は恐る恐る、アンガスは自分の手から食べ物を与える。優しく傷の手当てをしてくれたアンガスを親だと勘違いしたのか、すぐになつき始めた生き物に、アンガスは“クルーソー”と名付けるのだった。
ところが、マクマロウ家にやって来た珍しい客は、クルーソーだけではなかった。イギリス軍が押し寄せ、マクマロウ家の広い屋敷を、ハミルトン大尉(デヴィッド・モリッシー)を始めとする将校たちの宿舎にするというのだ。ネス湖がそそぐ海に出没するというナチの潜水艦を撃退するのが目的らしい。アンガスは、母親はもちろん、兵士たちがクルーソーに気付かないか、気が気でなかった。そこへ、アンガスにとっては3番目の招かれざる客が、クルーソーを隠している作業小屋に現れる。ルイス・モーブリー(ベン・チャップリン)、マクマロウ家の下働きとして雇われた男なのだが、経歴などもよくわからず、どこかワケありの影をたたえていた。
あっという間に成長したクルーソーは屋敷の中を駆け回り、最初は姉に次はモーブリーに見つかってしまう。2人は「この子の友達は、僕だけなんだ」と懸命に訴えるアンガスに、秘密を守ると約束してくれる。しかもモーブリーは、クルーソーが何ものかを知っていた。ケルト人の古い伝説に出てくる“ウォーター・ホース”だというのだ。年をとると卵を産んで死ぬので、いつもこの世に1匹しか存在しない、世界一珍しくて、世界一孤独な生き物なのだ。アンガスとクルーソー。神様がひとりぼっちの2人を、引き合わせてくれたのかもしれない…。モーブリーはアンガスに、水の中で自由に生きるウォーター・ホースは、ネス湖に放すべきだと忠告する。最初は離れ離れになるのを嫌がっていたアンガスも、ひと晩ごとに成長していくクルーソーの姿を見て、渋々承諾するのだった。
大人たちの隙を見ては、ネス湖へとクルーソーに会いにいくアンガス。今ではクルーソーは巨大といっていい大きさだった。ある日、クルーソーは、アンガスを背中に乗せて、湖中を自由自在に泳ぎ出す。泳げないアンガスは、最初は怖がっていたが、いつしか水中の魚や海藻の美しさ、難破船の宝物に胸躍らせ、水中から空に跳び上がるクルーソーのスピードに興奮し、父親がいなくなって以来初めて、心から楽しそうに笑うのだった。もはやクルーソーとアンガスは、言葉が通じなくても、信頼と深い愛情で、しっかりと結ばれていた。
しかし、ささやかな幸せが終わりを告げる時がやって来る。クルーソーを目撃した大人たちが、伝説の生き物を捕獲しようと計画し、宣伝のためにねつ造写真まで撮影したのだ。ところが、もっと過酷な運命が2人を待っていた。兵士がクルーソーを敵の潜水艦と勘違いし、砲撃命令を下したのだ! 爆撃に怯え、狂ったように水中を逃げ惑うクルーソーにまたがり、大海原へ逃がそうとするアンガス。爆撃の手をゆるめない兵士たち、クルーソーを生け捕りにしようとする大人たち、アンガスを助けようとするモーブリー、クルーソーの姿に驚きながらも息子を追いかけるアン。果たして、アンガスは、たった1人の親友を守ることが出来るのか…?
イントロダクション
世界中の誰もが、1度は見たことのある1枚の写真。スコットランドのネス湖で、水面から長い首を突き出して悠然と泳ぐ、伝説の生き物の写真だ。イギリスのデイリー・メール紙に掲載され、真偽のほどが世界中で大論争となったが、早くから何らかのトリックだという意見が優勢だった。その後、関係者からの告白騒ぎもあり、今ではほぼニセモノ写真だと結論付けられている。
しかし、この写真がニセモノだからといって、伝説の生き物も存在しないと言い切れるのだろうか? 実は、伝説の生き物を目撃したのに、決定的な証拠写真が撮れずにねつ造してしまったのではないか? その影には、伝説の生き物を守る人物がいたのではないか…? ニセモノ写真が撮られた背景には、ホンモノの感動秘話があった-。そんな大胆な発想から生まれたのが、映画「ウォーター・ホース」である。
「ベイブ」の原作で知られる、イギリスを代表するベストセラー作家ディック・キング=スミスの夢あふれる小説を、「ロード・オブ・ザ・リング」でアカデミー賞に輝いたスタッフが、完全映画化。伝説の生き物の不思議な光を放つ卵、子供から大人になるまでの成長の過程を、驚がくの最新SFXでクリエイト。神秘が眠る国スコットランドの美しい風景を舞台に、“1枚の写真”に隠された、孤独な2つの魂の出逢いと別れの物語を描く。私たちの心に眠っていたネス湖伝説が今、壮大なスケールを誇る感動エンタテインメントに生まれ変わる!
アンガス役に抜擢されたのは、8歳の時に「ミリオンズ」で華々しい映画デビューを飾り、天才子役の名をほしいままにしているアレックス・エテル。帰らない父の代わりに、神様が遣わせてくれたかのようなウォーター・ホースへの愛情をピュアに繊細に演じきった。ウォーター・ホースを守るために別れを決意する姿には、胸を揺さぶられずにはいられない。アンガスの母親役には、「奇跡の海」と「本当のジャクリーヌ・デュ・プレ」でアカデミー賞にノミネートされ、演技派として高く評価されているエミリー・ワトソン。
イギリスを舞台にした、少年が主役の映画には、名作が多いと言われている。ピュリッツァー賞受賞のベストセラーを映画化、少年が想像を絶する貧しさをユーモアとバイタリティーで乗り越えていく「アンジェラの灰」(99年)。炭鉱町に生まれた少年が、バレエ・ダンサーを目指す「リトル・ダンサー」(00年)。チャールズ・ディケンズの名作を映画化、孤児の少年オリバーが、数奇な運命に巻き込まれながらもたくましく生きていく「オリバー・ツイスト」(05年)。少年と犬の友情を描いた「名犬ラッシー」(05年)。いずれもハリウッド映画の子役とはひと味違う、自然体でけなげな少年たちの活躍が、観る者の心を掴んではなさない。そして08年、新たなる少年の名作が、ここに誕生した。