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作品紹介

結婚しようよ

出演
三宅裕司、真野響子、藤澤恵麻、中ノ森BAND、岩城滉一、松方弘樹
監督
佐々部清
配給
松竹
上映時間
1時間59分
公開日
08年2月2日(土)全国松竹系ロードショー
結婚しようよのメーン写真

ストーリー

 今どき毎日欠かさず家族そろって夕食を共にする家なんてちょっと珍しい。しかし、こと香取家においては、こうした決まりと習慣が今日まできちっと守られている。

 香取家の主人・卓(52歳)は不動産会社に勤める平凡なサラリーマン。妻の幸子(51歳)は専業主婦で、目下ポジャギ(韓国に伝わるパッチワーク)に打ち込んでいる。お嬢さんタイプの長女・詩織(22歳)は大学4年生。すでに就職も決まっている。そして次女の歌織(20歳)は目下スターを夢見てバンド仲間3人と活発に動き回っている。会社帰りの夕刻、卓が駅前広場で「吉田拓郎」を歌う若者バンドに合わせて口ずさんでいた時、充という青年と知り合った。卓は我が家の夕食に充を誘った。充は10年前の阪神大震災で家族を失い上京。一流の蕎麦打ち職人をめざして、毎日毎食コンビニ弁当の生活。そんな充の境遇に心優しい詩織が同情した。

 一方、歌織はバンド仲間のユッコ、チータ、シナモンと一緒に演奏練習に余念がなかった。歌織が使っているギターは、昔、父親の卓が使っていた名器ギブソンだ。ある日、卓は顧客である菊島夫婦から、老後の田舎暮らしに適した物件を頼まれて、山間の古い家付き土地を紹介した。菊島夫婦が気に入って売買契約が成立。早速、卓は湧き水の水路作りを提案し、率先して働いた。

 充が持参した豆腐で寄せ鍋を囲む香取一家の夕食時。仲の良い詩織と充に、卓はひどく不機嫌になっていた。それに歌織もバンドがライブハウス【マーク2】のオーディションに合格し、これまでのように家に早く帰ることができない。家族一緒の夕食に黄信号か? 【マーク2】のオーナー・榊は、歌織が使っているギターに見覚えがあった。その昔、若い卓が愛用していたものだ。榊は、歌織が卓の娘と知って2度びっくり。当の榊は若いい頃、【マーク1】で卓とデュオを組んで歌っていたのだ。その頃、大学同級生の幸子が、このライブハウスでウエイトレスのアルバイトをしていて、卓と恋に落ちたという。歌織は両親の恋物語と、卓が歌を断念した事情も初めて知ることとなった。詩織は手作り弁当を持って、充が修行中の蕎麦屋を訪ねた。その帰り道で充がプロポーズ。一方、歌織もライブハウスで榊や丸山、バンド仲間と夕食。帰宅しない娘2人に、卓は子供のように怒り、幸子に八つ当りした。卓はライブハウスに榊を訪ね、20年ぶりの旧友に愚痴をこぼした。家族の変化に憤懣やるかたない卓だったが、妻の幸子からも自立を仄めかされて益々意気消沈。翌日、「ボクに詩織さんを下さい」と勇気をふりしぼって言う充に、卓は思わず手を挙げてしまった。

 愈々歌織のバンド「カオリ&スリーキャンディーズ」のデビュー演奏の日、榊の招きで卓と幸子がライブに姿を見せた。娘のバンドの歌と演奏に、2人の青春の日々が甦った。やがて菊島夫婦宅の水路が完成。菊島家に多勢の人が集まった。卓と幸子、榊と丸山、歌織と3人の仲間、そしてこの日のために蕎麦を打つ充と詩織。ここで卓と充がめでたく和解した。ライブハウス「マーク2」で詩織と充の結婚式が行われた。そしてもう1組。今日まで結婚式を挙げていなかった卓と幸子も、舞台に晴れのウエディング姿を披露して皆の祝福を受けた。拓郎の名曲「結婚しようよ」を歌う卓の目には大粒の涙が溢れた。

 06年秋。吉田拓郎が実に31年ぶりにつま恋で大いに歌いまくった。コンサートに集まった3万5000人の大ファン。その熱狂的観衆の中に、仲睦まじい卓と幸子の姿があった。

イントロダクション

 70年代のフォークソング全盛期に青春を謳歌した「団塊世代」の多くは、今、父親となって家族と共にそれぞれの人生を歩んでいます。その1人、香取卓(52歳)とその家族の悲喜こもごも、愛情溢れる日々を「今日までそして明日から」「落陽」「明日に向って走れ」「結婚しようよ」など数々の「拓郎ソング」で描いた涙と笑いの感動編。06年秋。31年ぶりに3万5000人のファンを、熱狂の渦に巻き込んだあの「つま恋コンサート」から1年余。人々の心の琴線を揺さぶるピュアな映画が完成しました。

 一家団らんの夕食。それは家庭的「幸福」の最もシンボリックな情景です。お父さんが会社から定時に帰宅し、子供たちも学校から帰っていて、お母さんの手作り料理が並ぶ食卓に座る。今日1日の出来事を語り合いながら進む和気あいあいの夕食。しかしながら、お父さんが望むこのルールは、いつまでも永続するものとは限りません。

 70年代から今日まで30年間、家族のために働き詰めで来た我らの主人公・香取卓。その唯一の生き甲斐「家族」に、近頃少々暗雲が立ちこめてきたようです。長女には恋人が出来、次女は音楽活動に熱を入れ出し、何と頼りの妻までが、「いつまで夕食ご一緒できるかしら」と自立の気配。変わり行く家族に生じる愛の波紋が、スリリングに広がって…。

 父、母、長女、次女の4人家族の家庭に起きる愛のさざ波。それを乗り越えてやっとつかんだ本当の幸せ。映画のラストは、長女の結婚式に加えて、その昔、事情があって式をしていなかった父と母が、周囲の計らいで晴れてウエディングを果たすという場面。ここでお父さんが得意の拓郎ソング「結婚しようよ」を、ギターを奏でながら歌う感動のクライマックスです。

 デビュー作「陽はまた昇る」から「半落ち」「出口のない海」を経て、最近作「夕凪の街桜の国」を世に問うた名匠・佐々部清監督は、自他共に認める拓郎ファン。「いつの日か、全編を吉田拓郎のヒット曲で綴る映画を!」と、拓郎フォークと人間ドラマのジョイントを発想し、またまたここに鮮度溢れる名作を創りあげました。

 家族一途のお父さんに三宅裕司、優しく家族を包むお母さんに真野響子、心優しい長女に藤澤恵麻、歌手をめざすバンカラ次女にAYAKO(中ノ森BAND)。この一家を囲んで長女の恋人に金井勇太、田舎暮らしを実行する老夫婦に松方弘樹と入江若葉、お父さんの親友でライブハウスのオーナーに岩城滉一、その弟分にモト冬樹など、ベテラン・新進が見事なアンサンブルを見せてくれます。



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