山田洋次監督(78)が27日、3年ぶりに北海道夕張市を訪れ、監督作品「幸福の黄色いハンカチ」(77年)の交流イベントに参加した。ロケ施設を保存する広場に新設された絵看板の除幕式と、交流館の開幕式に出席。「この広場が皆さんの力で存続されているので、とても安心です。いつまでもこの町のシンボルであり続けてほしい」。特別功労賞を受賞したベルリン映画祭から4日前に帰国したばかりで「夕張の方がベルリンより寒い」と苦笑い。同市内で行われた市民との会合では、同作品の製作時のエピソードを披露。今後については「皆さんが見た後、ちょっといい気持ちになるような映画を作り続けたい」と次回作へ意欲をみせた。

 同地で開催中の夕張国際映画祭では、故森繁久弥さんの特集上映会が行われ、歌手加藤登紀子(66)と次男の森繁建(たつる)さんが登壇した。加藤が森繁さんを招いた79年の東京・日比谷野音でのコンサート映像を上映。森繁さんが「草原」(ロシア民謡)など3曲を歌ったシーンを見せた。「帝劇での公演前に15分だけ来てもらったんです。森繁さんの世界が伝わってきました」。森繁さん作詞・作曲の「知床旅情」を歌い、観客を喜ばせた。

 同映画祭では5月29日公開のホラー作品「クロネズミ」が上映され、主演で日テレジェニック2009の米村美咲(17)と深作健太監督が登壇した。地元北海道出身の米村は「自分が初主演した作品がこの映画祭で上映され、とてもうれしい」と話した。