俳優の綾瀬はるか(22)と小出恵介(24)が20日、北海道夕張市で開幕した「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」のオープニング作「僕の彼女はサイボーグ」(5月31日公開)の舞台あいさつのため、同映画祭に出席した。映画祭は市の財政破たんで昨年は中止になったが、2年ぶりに市民の手で復活した。熱烈な歓迎を受けた2人は「作品が新生映画祭の火付け役になれば」と意気込んだ。

 綾瀬、小出をはじめ、映画関係者らが乗った臨時列車がJR新千歳空港駅から夕張駅まで運行された。途中の新夕張駅では、子供たちから花束を受け取り、夕張駅では生ブラスバンド演奏と200人以上の市民に出迎えられた。2年ぶりの映画祭ということで、次々に「おかえりなさい」との言葉を掛けられた。初めて訪れる土地だけに、2人とも最初は「おかえりなさい」に戸惑ったようだったが、すぐに「アットホーム!

 手作り感がいいですね」と笑顔を見せた。

 「僕の彼女はサイボーグ」は「猟奇的な彼女」「僕の彼女を紹介します」で知られる韓国のクァク・ジェヨン監督の最新作。未来から来たサイボーグと、ちょっと弱気な男性を描いた。同映画祭が、一般の観客に見せる初めての場、ワールドプレミアになった。

 2人とも映画初主演。しかも、映画祭というイベントへの参加も初めてだっただけに、想像もつかなかったようだが、熱烈な歓迎を受けたことに、綾瀬は「姿勢を正すような気持ちになりました」。小出も「一気に緊張がほぐれてみなさんと距離が縮まりました。握手があったかい感じがする」と感激した。

 市の財政破たんで昨年映画祭が中止になったことも気になっていた。小出は「この作品の1発目がゆうばり映画祭でよかった。復活した映画祭、新生映画祭の火付けになればいい」と意気込んだ。綾瀬も「にぎやかな感じでお祭りみたいになってくれればいい」。会場前で2人を迎えた夕張市の藤倉肇市長も「待ちに待っていました。最高です」と期待を寄せた。

 同作は250スクリーンで公開予定で、韓国を含むアジア7カ国でも上映される。映画祭は23日まで。