東京・臨海副都心に新設された警視庁東京湾岸署の開署式が3月31日に行われ、「湾岸署」を舞台にしたドラマ・映画「踊る大捜査線」の主人公、青島刑事役の織田裕二(40)から祝電が届いた。織田はメッセージの中で未発表だった次回作の撮影開始を発表。製作のフジテレビによると、撮影では新設された本物の東京湾岸署の外観を利用し、旧庁舎から引っ越す場面も登場させる予定だという。

 祝電は石原慎太郎都知事(75)ら来賓あいさつに続いて紹介された。「『踊る大捜査線』で走り回ったこの地区の治安がますます万全になることを心強く感じています」。送り主が「湾岸署刑事課強行犯係

 巡査部長

 青島俊作こと俳優織田裕二」と紹介されると約230人の出席者から「お~」とどよめきが起きた。

 驚きはもう1つあった。織田はメッセージの中で「私も今まで以上に熱い気持ちで『次の事件』に取り組みたいと思っています。その時はどうぞよろしくお願いします」と新作の撮影開始を宣言した。

 新作は98年、03年に続く3作目。前作は日本実写映画で歴代最高の興行収入173億円を記録した。昨年も各メディアで新作着手のうわさが報じられるなど人気は根強かった。フジテレビ亀山千広映画事業局長は「簡単に続編を作ることができない大作。慎重に進めてきましたが、本物の湾岸署の新設といううれしいニュースに後押しされました」と明かした。撮影は来年初めに開始。公開も来年を予定している。

 本物は映画にも登場する予定だ。これまで「湾岸署」の外観の撮影は、東京都江東区の事務機器メーカー内田洋行の潮見オフィスを利用してきた。亀山局長は「新作には、新庁舎に引っ越す場面を登場させたい」として、すでに東京湾岸署に外観の撮影許可は申し入れている。巡査部長から係長に昇進した織田演じる青島が、引っ越し作業の中心を務める設定も考えているという。

 この日開署式で矢代隆義警視総監は「臨海地区の治安保持の拠点になってほしい」と東京湾岸署に期待を寄せた。建設中から観光客が訪れ、お台場の新名所となっていたが、新作の登場が確実となり、注目度は増すばかりだ。