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角川春樹氏ピンポイントで監督“復帰”

映画「蒼き狼~地果て海尽きるまで~」の2万人を集めたシーン
映画「蒼き狼~地果て海尽きるまで~」の2万人を集めたシーン

 角川春樹氏(64)が、製作総指揮する映画「蒼き狼~地果て海尽きるまで~」(沢井信一郎監督=67)で、9年ぶりに「監督復帰」した。チンギスハンの生涯を描いた作品の見せ場、約2万人の群衆を集めた即位式のシーンが、モンゴルのウランバートル郊外で2日かけて撮影され、春樹氏が「私以外に撮れる人間はいない」と、急きょピンポイントでメガホンを取った。監督として現場に立つのは、97年の「時をかける少女」以来。来年3月3日に公開される。

 27年前にモンゴルを訪れチンギスハンの生涯を映画化することを決めていたという春樹氏だけに、意気込みは強かった。モンゴルの王に即位するクライマックスシーンの撮影が始まると、黙って見ていることはできなかったようだ。このシーンは、モンゴル軍2000人をはじめ、エキストラ1万8000人、計2万人を草原に集めた。春樹氏は「力感のあるシーンは私以外に撮れない。技術じゃない。気迫と胆力で撮らないとだめなんだ」と一気に話した。

 春樹氏は、監督作品「天と地と」(90年)で約3000人のエキストラを使った合戦を撮った経験がある。大掛かりなシーンは得意分野だ。現場では拡声器で主演反町隆史(32)やエキストラたちに演技指導し、スタッフからも「監督!」と声が掛かった。9年ぶりに「監督」と呼ばれたことについて春樹氏は「ごく自然だね」。今週末から劇場で流れる予告編の演出も春樹氏が行った。「このまま(最後まで)撮ってしまってもいいくらい。沢井監督に『助監督して』と言いたいくらい。悔しいんだよね。やっぱり映画が好きでこの世界に入ったから」と本音をもらした。

 ただ、「Wの悲劇」(84年)を撮った沢井監督の、人間ドラマを描く力量は認め「沢井さんにとっても最高傑作になるはず」と話しており、あくまでもピンポイントでの監督復帰ということのようだ。2日間の撮影を終えた春樹氏は「反町にチンギスハンが乗り移り、監督の私にもチンギスハンが乗り移ったかのようだった。満足なカットが撮れて感謝しています」と満足げだった。

 同作はオールモンゴルロケで9月に撮了し、12月には現地でプレミア試写会を行う予定。【小林千穂】

[2006年7月18日8時51分 紙面から]

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