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大塚愛主演「東京フレンズ」好発進
- 映画「東京フレンズ The Movie」舞台あいさつに出席した大塚愛ら
歌手大塚愛(23)の初主演映画「東京フレンズ The Movie」(永山耕三監督)が12日、初日を迎え、全国約200館で公開された。同映画は音楽中心に成長したエイベックス・エンタテインメントが「新ビジネスの模索とアジア進出」を視野に入れて昨年4月に映像事業本部を新設、第1弾映画として企画・製作を手掛けた。
進出第1歩で興業収入15億円を見込んでいる。そのうち約半分が劇場側、残り半分が製作・配給側の収入になる。同映画の製作費は約3億円で、ほかに宣伝費など経費を除けばエイベックスの利益はほとんどない。しかし、CD売り上げや音楽配信事業で今年3月期の売上高が過去最高の897億円を記録した同社は映画事業をより高収益を狙うためのビジネスと位置付けている。
その狙いはこの日、大塚が出席した初日舞台あいさつのコメントに隠されていた。「映画を見終わっても今後発売されるDVDで楽しんでください」。同社が期待するのは自社で全面的に企画した映画から生まれる「副産物」だ。公開後はサントラ盤やDVDなどすべて自社製品として発売。すでに同社の収益の柱に成長した映像配信も積極的に仕掛けられる。
実際に同映画は昨年6月に発売したDVDドラマ「東京フレンズ」がベースになっている。同ドラマは「Yahoo!動画」「GyaO」に配信して利益を上げ、その手応えから、映画化に踏み切った。また、同社には関連会社に多数のアーティストが所属している。今回も大塚の初主演作を企画したように、大物起用の話題作を手掛けやすいのは、既存の映画会社にない優位性でもある。
レンタルレコード店の店員が起こした輸入レコード会社を原点とするベンチャーが、日本のエンターテインメントをさらに刺激する。
[2006年8月13日8時11分 紙面から]
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