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ベネチア映画祭「パプリカ」1時間で完売

 【ベネチア2日=小林千穂】第63回ベネチア映画祭で、6本が出品された日本作品のトップを切り、メーンのコンペティション部門のアニメ「パプリカ」(12月公開)の公式会見が行われた。ヨーロッパを中心に評価の高い今敏(こんさとし)監督(42)作品とあって会見場はほぼ満員、現地報道陣からの質問が相次いだ。同日夜に予定されている公式上映のチケット販売では徹夜組も出て、約1000席分が1時間で完売した。初のベネチア出品となる今監督は「(賞は)もらえればうれしいですが、考えてない。イタリアも初めてなので、取材も楽しんでいます」と、プレッシャーはないようだった。

 日本アニメといえば宮崎駿監督が真っ先に挙げられるが、今監督は次世代アニメ監督の1人として注目されている。イタリア人記者らからキャラクター、音楽、実写との違い、原作についてなど詳細な質問が続いた。会見終了後には記者からサインを求められ、2日間で20カ国近く、約60媒体から取材を受けるなど人気をうかがわせた。

 同作は作家筒井康隆氏の原作。現実と無意識、巨大な日本人形、朽ちた遊園地に近未来の東京など、混然一体さを極彩色の映像で描いた。同映画祭ディレクターのマルコ・ミューラー氏は「次世代作品の決定版。途方もなくエキサイティング」などと絶賛し、コンペ部門出品を強く押した経緯もあった。授賞式は9日に行われるが、技術賞を含め何らかの賞を獲得するのではといわれている。日本以外ではイタリア、仏、スペイン、米国、カナダでの公開が決まっている。

[2006年9月3日7時6分 紙面から]

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