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市川崑監督を岩井俊二監督が撮る

市川崑監督(左)にインタビュー取材を行う岩井俊二監督
市川崑監督(左)にインタビュー取材を行う岩井俊二監督

 市川崑監督(90)の生きざまを描くドキュメント映画を岩井俊二監督(43)が製作することが10月31日、分かった。岩井監督が脚本・編集も手掛ける「市川崑物語」で、幼少期から現在に至るまで、秘蔵写真と文字で構成する異色の試み。東京・新宿ガーデンシネマのこけら落とし作品として、12月9日から劇場公開される。

 「ラブレター」「スワロウテイル」などで知られる岩井監督は市川監督作品のファンだった。76年の「犬神家の一族」を「自分の映画作りの教科書」と心酔。「岩井美学」と呼ばれる映像美や編集方法に大いに影響を与えていた。

 映画監督が映画監督の人生を映画化する異色の試みは「犬神家の一族」(12月16日公開)の30年ぶりの再映画化がきっかけだった。岩井監督は、自分をよく知る関係者から「撮影現場を記録してみては」と提案された。数年前まで、市川監督との共作映画の企画を進めるほど、敬愛する大先輩とのコラボレーションを熱望していた。そこで単なる記録ではなく、市川監督という人物に迫る作品として取り組むことを決意した。

 今春から撮影を開始した「犬神家の一族」の現場に足を運ぶと同時に、膨大な資料を集め、インタビューを数回に分けて行った。岩井監督は「年の差は関係ない。この世の中で1番話の合う人に出会ってしまった。そんな気がした」。生きざまに深く触れることでさらに共感を覚えた。

 「市川崑物語」は映画監督デビューする前のアニメーター時代など知られざる秘話も紹介。名作ドキュメンタリー「東京オリンピック」や「金田一耕助」シリーズ、「細雪」など同監督作品の映像も登場する。岩井監督は市川監督の世界との出合いも描くつもりだ。

 岩井監督は02年、日韓W杯期間中の日本代表に密着した映像を編集・構成した「六月の勝利の歌を忘れない」を製作。異色ドキュメンタリーとして注目された。市川監督は今回の作品について「岩井さんらしい構成。まことに不思議な興味のある作品です。どう仕上がるか興味津々」と完成を楽しみにしている。

[2006年11月1日9時2分 紙面から]

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