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小百合が邪馬台国シーンで卑弥呼に
吉永小百合(62)が東映の新作「まぼろしの邪馬台国」で、邪馬台国発見にロマンを求めた男を献身的に支えた妻を演じることが11日、分かった。60年代に邪馬台国論争を巻き起こした同タイトルのベストセラーを発表した宮崎康平さん(享年62)と妻の和子さん(78)の半生を描く。邪馬台国再現シーンも登場し、吉永が卑弥呼も演じる。メガホンは堤幸彦監督(51)がとり、来年公開予定。
映画「まぼろしの邪馬台国」は二人三脚で夢を実現させた夫婦の愛を描く。夫は鉄道会社社長で郷土研究家。破天荒なワンマン経営者だったが、失明や経営危機などに襲われ、邪馬台国の研究に没頭。67年発表の著書で邪馬台国は長崎・島原にあったと結論づけた。学者レベルだった論争を一般レベルまで広げた功績から第1回吉川英治文化賞を受賞した。
吉永が演じるのはロマンを追い求めた盲目の夫を支える妻。「魏志倭人伝」などを読み解きながら夫と九州各地を訪れる旅に出る。意地っ張りで豪気で破天荒な性格の夫と時にはケンカもしながら、失意の時はしった激励した強い妻。吉永は「すてきな題材に張り切っています」。
モデルとなる和子さんについて堤監督は「夫に翻弄(ほんろう)された女性ではなく、自分の意志で人生を楽しんだ力強い印象」。初コンビを組む吉永にもそのままの女性像を演じてほしいという。夫役は竹中直人(51)。堤監督は「シリアスにはしたくない」としており、吉永と竹中の丁々発止のやりとりやコミカルな演技も楽しめそうだ。吉永も「竹中さんとの初共演で、全力投球で生き抜いた夫婦を鮮やかに演じたいと願っています」とコメント。堤監督も「こんな夫婦がいたら楽しそうだなと思っていただける作品にしたい」と話している。
夫が頭の中で想像する邪馬台国も映像化する。佐賀・吉野ケ里遺跡などが撮影候補地。本編ではわずかのシーンとなるが、吉永が邪馬台国の女王、卑弥呼も演じる。献身的に支え続けてくれた妻に対する夫の愛情を象徴するシーンでもあり、見どころとなりそう。11月から撮影を開始する。
[2007年9月12日7時27分 紙面から]
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