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小百合涙「母べえ」初日感極まる
- あいさつで涙ぐむ吉永小百合
吉永小百合(62)の主演映画「母(かあ)べえ」(山田洋次監督)が26日、公開初日を迎え、東京・丸の内ピカデリーで山田監督や共演者と舞台あいさつに立った。感極まったのか、目をうるませるシーンもあった。そのほか、岡田准一(27)主演の「陰日向に咲く」、個性派俳優の荒川良々(34)初主演映画「全然大丈夫」なども公開された。
吉永が涙を浮かべた。主演映画「母(かあ)べえ」の初日舞台あいさつ。言葉を詰まらせながら「一生忘れられない作品になりました。思い出になると思います」。こみ上げるものを抑えられず、目を潤ませた。上映後の余韻にひたる満員の客席から拍手が起きた。
山田監督とは74年の「男はつらいよ」以来34年ぶりにコンビを組んだ。「長い月日がたちましたが、山田監督の映画はずっと見てまいりました。弱いもの、小さいものに対する温かいまなざしをいつも感じました。この作品も同じです」。
太平洋戦争直前の昭和15年の東京が舞台。治安維持法違反で夫が逮捕され、2人の子供を懸命に育てながら激動の時代を生き抜く女性の物語。強烈な反戦メッセージが伝わってくる。原爆詩の朗読を通して平和の大切さを伝え続ける吉永にとって、思い入れの強い主演作となった。
昨年秋から精力的にキャンペーンに取り組んだ。10都市を訪れながら、東京に戻った日も取材に応じる日々が続いた。この日も「(全国の劇場で)もう1度ごあいさつをしたいと思っています。それぐらい大切な作品」。思いを込めた分、公開初日に感情があふれ出たようだ。
配給の松竹によると、興行収入30億円を見込む好スタートだという。映画出演作は通算112本。関係者によると「120本までは頑張りたい」と話しているという。芸能生活50年を迎えたトップ女優は「母べえ」で得た充実感を胸に前に進み続ける。
[2008年1月27日9時45分 紙面から]
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