米大統領選の共和党候補者指名争いでトップを走る不動産王ドナルド・トランプ氏の過激な発言が連日メディアを騒がせる中、多くのハリウッドスターたちがトランプ氏への嫌悪感を露わにしています。リベラル志向が強いハリウッドでは、もともと民主党を支持するスターが多いことで知られていますが、「イスラム教徒のアメリカ入国を禁止する」など数々の人種差別発言や暴言を繰り返すトランプ氏に対し、ジョニー・デップやリチャード・ギア、マット・デイモン、ジョージ・クルーニー、ハリソン・フォードら多くのスターが「反トランプ」を公言。「アメリカの恥」と、苦言を呈しています。

 ユダヤ系が多いハリウッドでは、「自由」「平等」「博愛」といったリベラルな考え方が根強いことから保守派に対する嫌悪感があり、民主党支持者が圧倒的に多いと言われています。では、どんなスターが民主党支持者なのでしょう。

 ジョージ・クルーニー夫妻は、民主党の有力候補ヒラリー・クリントン氏のために資金集めパーティーを来月開催予定。ロサンゼルスの自宅で行われるこのパーティーチケットのお値段は、なんと1人3万3400ドル。その前日にもサンフランシスコで、クリントン氏を囲んでのパーティーも開催する予定で、こちらはクルーニー夫妻とクリントン氏と一緒に座れるテーブル席は、なんとペアで35万3400ドルというから驚きです。収益はすべてクリントン陣営の選挙資金に献金されます。

 環境問題に熱心なレオナルド・ディカプリオは、ビル・クリントン氏の時代から民主党を支持しており、党大会にも出席しています。2000年の選挙でアル・ゴア氏を支援していたベン・アフレックや反ブッシュの市民団体が若者に投票を呼び掛けるCMに出演したマット・デイモンも民主党支持者。他にも、スティーブン・スピルバーグ監督や「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」を大ヒットさせたJ・J・エイブラムス監督も民主党の政治資金団体に多額の寄付をしていますし、トム・ハンクスやジョン・キューザックもバリバリの民主党員として有名。また、ブルース・ウィリス、クリスチャン・ベール、ロバート・ダウニー・Jr、ロバート・デ・ニーロ、ロバート・レッドフォード、マイケル・ダグラス、メル・ギブソン、ジュリア・ロバーツといった大物も民主党支持者です。

 ブリトニー・スピア-ズは共和党支持者として知られていますが、ラスベガスで行っている定期公演でクリントン氏と対面した際の感激をSNSにアップしており、今年の選挙では民主党に投票するのではないかと噂されています。

 もし仮にトランプ氏が共和党の候補者に選ばれた場合は、反トランプを掲げるスターがさらに出てくることが予想され、2004年の選挙で多くのハリウッドスターたちが反ブッシュを掲げてブッシュ氏を批判する運動を展開した時のような状況が再び起こるのではないかと予想されています。

 注目されるカリフォルニア州での予備選は6月。そして、両党の候補者が決まる7月の党大会まであと3カ月半。まだまだ気が抜けない日が続きそうです。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)