14日に公開された人気シリーズ第8弾「ワイルド・スピード」最新作「ワイルド・スピード ICE BREAK」が、公開3日間で「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」(15年)の5億2900万ドルの全世界興行記録を抜き、史上最高となる5億3250万ドルの興行収入を記録する快挙を成し遂げました。日本では28日から公開ですが、すでに公開されている中国でも2年前の前作「ワイルド・スピード SKY MISSION」を上回る驚異的なヒットを見せている他、北米でも前作に続く1億20万ドルのヒットとなっています。

 シリーズ8作目でもまったく衰えを見せず、むしろ回が増すごとに興行は右肩あがりのヒットを続ける同シリーズ。前作を撮影中だった2013年に事故死したポール・ウォーカー抜きとなった今作も予想だにしないアクションの連続で、カーアクションもスケールアップしてファンを魅了し続けています。今作はタイトルからも分かるように、氷上でのカーアクションが見どころ。そこに潜水艦や魚雷までもが登場し、これまで観たことのない度肝を抜くアクションが繰り広げられています。さらに今作は、ヴィン・ディーゼル演じる主人公ドミニクが、愛するファミリーを裏切って敵に加担してしまうという予想を裏切るストーリー展開に加え、ジェイソン・ステイサムの再登場やシャーリーズ・セロンが敵となるサイバーテロリストを演じているのも話題のひとつです。

 今作でメガホンをとったのは「交渉人」(98年)などで知られるF・ゲイリー・グレイ監督。ドミニクの裏切りというサスペンス的要素にラストの感動的ドラマも盛り込んだ手腕で、しっかりと最後まで観客を惹きつけています。また、ドウェイン・ジョンソンやミシェル・ロドリゲスらおなじみのキャストに加え、クリント・イーストウッドの息子スコット・イーストウッドやヘレン・ミレンら豪華キャストも新たに参戦。「ワイルド・スピード」の原点といえるストリートレースも健在で、回を重ねるごとにパワーアップする同シリーズは、今作も良い意味でファンの期待を裏切る力作です。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)