ヘンリー王子とメーガン妃夫妻が16日、米ニューヨークでパパラッチ集団から執拗(しつよう)な追跡を受けて2時間に渡る危険なカーチェースに巻き込まれたと主張。「あわや大惨事になるところだった」と広報担当者が声明を発表するも、「おおげさ」「ニューヨークで2時間のカーチェースはありえない」と反発の声が上がり、当事者も巻き込む大論争に発展しています。
慈善団体の授賞式に出席した夫妻が、会場外で待ち構えていたパパラッチに追い回されて他の車や歩行者、はたまた警察官をも巻き込む衝突に近い状況が複数起きて恐怖を感じたとパパラッチを非難したことに対し、ニューヨーク市警察は「事故が起きたという報告はなく、けが人や逮捕者も出ていない」と即座に否定。さらに、4人のパパラッチから写真や動画を受け取った写真エージェンシーも、「衝突寸前の状況は起きておらず、どの時点でも夫妻に差し迫った危険はなかった」と述べ、夫妻を護衛していた4台のSUVのうち1台が無謀な運転をしていたとコメントし、その様子が動画に映っていると反論しています。
さらに、カーチェースの途中で乗り換えたタクシーの運転手もメディアの取材でパパラッチに追跡はされたものの危険な行為はなかったと、夫妻の主張とは食い違う証言をしています。芸能情報サイトTMZが公開した動画には、停車中のタクシーを取り囲んで撮影するカメラマンに夫妻の護衛が撮影を止めて離れるよう求めると、「分かった」と素直に引き下がる様子も映っており、夫妻の主張の信ぴょう性に疑問が出ています。
夫妻の主張に違和感を覚えた著名人も多く、元FOXニュースのキャスター、メーガン・ケリー氏は自身のポッドキャストの番組で「信号や一時停止の標識が多く、歩行者や車の交通量もあるニューヨークではありえないこと」と矛盾を指摘。報道の自由があるアメリカでは、公共の場や路上にいる時、報道機関の人たちは写真を撮る権利があり、「著名人である以上、それは生活の一部」と述べ、いちいち広報担当者に泣きついて「危ない目にあった」と声明を出させるよう人はいないとバッサリ切り捨てて話題となりました。
また、ウーピー・ゴールドバーグも司会を務めるトーク番組で、「もしニューヨークでカーチェースができるなら私たちみんな、遅刻せず時間通りに劇場にたどり着ける」とジョークを述べ、ロサンゼルスならいざ知らずニューヨークではありえないとの見解を示しています。
そんな中、カーチェースが起きた舞台裏も少しずつ明るみになり、原因を作ったのは夫妻自身だった可能性も取り沙汰されています。第一に、裏口からではなく、あえてマスコミが待ち構えている正面から出てきたことに「写真を撮ってもらいたい意図があった」と指摘されています。もし、パパラッチを本気で避けたいのならこっそり裏口から出ていればこのような大追跡劇は起こらなかった可能性が高かく、ゴールドに輝く妃のゴージャスなドレス姿をメディアに披露したかったと考えるのが妥当です。
さらに、パパラッチに長時間追いかけられた要因としても、友人宅に宿泊する夫妻が居場所を知られたくなかった可能性が浮上しています。これに対しては専門家からも、ホテルに宿泊していればパパラッチに入り口から中に入るところを写真に撮られておしまいだったと疑問の声が出ており、警備が万全のホテルに向かっていたらそもそも逃げ回る必要などなかったとも言われています。さらに、ホテルに宿泊しなかった背景にもダイアナ元妃のお気に入りだった高級ホテル、ザ・カーライルに値引き交渉をして宿泊を拒否されていたことが判明。ホテル代をケチったことで警察をも巻き込む大騒動を巻き起こしたことになり、「みんなの安全のためにもホテルに泊まるべきだった」と批判に晒されています
チャールズ国王をはじめ王室はこの件に関して無視を決め込んでおり、コメントを求めるメディアに対して「コメントを出すような事案ではない」と述べたことが伝えられています。つまり、取るに足らないことであるというのが王室の見解で、そもそも追いかけられるのが嫌なら付き添いのヘンリー王子は授賞式に出席しなければ良かっただけとの声もあります。母ダイアナ元妃をパパラッチによる追跡中の交通事故でなくしている王子は、いかに自分たち夫妻が危険な目にあったのか誇張したかったのかもしれませんが、これほどまでに簡単にバレる大げさな主張をなぜしたのかは夫妻のみが知るところです。【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)