メンタルが強くないと、人前で堂々としゃべることはなかなかできません。でも、強くなろうとしても簡単にはいかないし、メンタルが弱い子は一切お手上げかといったら、そんなことはありません。コツコツ準備をすれば良いのです!

トーク編25「メンタルレッスン~準備編~」

 【前回までのあらすじ】ダイエット編と並行して連載中のトーク編。アイドルやアーティストに行っているトークレッスンの内容を公開しています。トークの中身からコミュニケーションレッスンを挟んで、今回はメンタルレッスンの続きです。

幕張メッセで行われた「ライブ・エンターテイメントEXPO」のエイベックスブースで、「mamafes」のトークショー司会を務めた五戸です。左から五戸、hitomiさん、生活実用誌「CHANTO」編集長・杉木さん、ベビードリームアート協会・森さん(2017年6月)
幕張メッセで行われた「ライブ・エンターテイメントEXPO」のエイベックスブースで、「mamafes」のトークショー司会を務めた五戸です。左から五戸、hitomiさん、生活実用誌「CHANTO」編集長・杉木さん、ベビードリームアート協会・森さん(2017年6月)

 人前で話すときに精神面を強く保つには、まず極度の緊張をほぐすことが大事。それには前回までに書いた、後ろ向きな発言をしないことや、うまくやろうとしないことが当てはまりますが、もうひとつは、「準備をする」ことだと思っています。

緊張をほぐす~アイドルの場合~

 私が教えているアイドルの子たちも、いきなりインターネット番組にゲストで出ることになったり、ラジオ番組でパーソナリティーとして話すことになった時、緊張し過ぎることのないよう、準備をするよう勧めています。

 例えばゲスト出演なら、前回のその番組を見てみる、司会者のことを調べてみる、聞かれることを想定してみる。ラジオのパーソナリティーなら、事前に原稿をもらって読んでみる、他のラジオ番組を聞いてみる、話したい内容を声に出してしゃべってみる…できることはたくさんあります。

どんな発表でも練習ありき

 これはトークに限らず、他のことでも当てはまると思います。ピアノの発表会、練習が足りない時ほど「失敗したらどうしよう」と思って緊張しがち。練習で百発百中なら「練習通りやろう」と思えばいいので、そんなに緊張しないはず。学芸会でも、部活の大会でも、練習を重ねた時ほど自信を持てた経験がある方は多いと思います。

日本人に多い“トークだけ一発勝負”

 プロ野球選手もオリンピック選手も、信じられないくらい練習をしているから、本番で実力を発揮することができるもの…なのに、なぜかトークに関しては、練習をしようとか、準備をしようという観点があまりない…そんな人が日本人に多い気がしています。

トークの教え子「Flower Notes」の毎月恒例イベント「LIVE The Garden」で司会を務めた五戸(2列目左)。中央が「Flower Notes」、左が「seeDream」、右が「Clef Leaf」。7月は9日開催です。ぜひご来場を(2017年6月)
トークの教え子「Flower Notes」の毎月恒例イベント「LIVE The Garden」で司会を務めた五戸(2列目左)。中央が「Flower Notes」、左が「seeDream」、右が「Clef Leaf」。7月は9日開催です。ぜひご来場を(2017年6月)

緊張をほぐす~司会の場合~

 私も、準備が足りない時ほど変に緊張してしまいます。特に司会業は、流れを頭に入れ、登壇者のプロフィルと最近の出来事を記憶していないと、うまく“回す”ことはできません。イベントは“生もの”なので、台本を追っているだけではその場のベストな対応ができないからです。

 そして、頭に入れながらも、台本は必ず壇上に持っていくのが私のスタイルです。「もし忘れちゃったらどうしよう」といった「もしも…」を想定し、念には念を入れて用意をします。台本を持っているだけで「万が一忘れてしまったらこれを読もう」と思うことができるので。

自分に暗示かける呪文

 本番前の一番緊張する時は、心の中で“呪文”のように、こう唱えます。「これだけ準備をしたから絶対大丈夫。絶対うまくいく」と。自分に暗示をかけて、緊張を和らげます。これは準備が整っていないとできないことです。

緊張をほぐす~就活・プレゼンの場合~

 就職活動なら、受ける会社のことを調べる、その会社でやりたいことを考える、そしてそれを声に出して言ってみる。会議でのプレゼンなら、一度通してやってみる、うまくいかなかったところはメモにする、良い反応が来なかった時のもうひと押しを考える…できることはたくさんあります。そして本番前に「絶対大丈夫」と唱えたら完了です!

大事なのは想像力

 大切なのは、準備できる内容を考える想像力。「これを聞かれるかも」「ここがうまくいかないかも」と、可能な限り具体的に想像できるほうが、しっかり準備できます。

 もし想像ができなかったら、それは、今までやっていなかっただけのこと。やればやるほど、足りないものが見えてきて、やらなきゃいけないことが想定でき、準備を進められて、気付けば極度の緊張からは解放されています。(次回トーク編は第26回「気をつけたい言葉遣い」です)

本日のごのへの・ご・ろ・く

準備して 「大丈夫」の暗示 かけるべし