劇団四季ミュージカル「キャッツ」が来年夏、9年ぶりに東京に帰ってきます。東京・大井町の四季劇場「夏」の隣接地に専用劇場「キャッツ・シアター」を建設し、ロングラン公演を行います。東京では09年の五反田・大崎のキャッツシアター公演、首都圏としては09~12年の横浜以来の公演となります。1983年に東京・西新宿のキャッツ・シアターで幕を開けた「キャッツ」は、これまで東京、大阪、名古屋、福岡、札幌、仙台、静岡、広島、横浜など全国9都市で、のべ23公演を行っていますが、34年の歴史の中で、上演地を本拠とするプロ野球のチームが優勝するとジンクスも生まれました。

 「キャッツ」初演の83年には、東京を本拠とする巨人がリーグ優勝。2年後の85年の大阪初演では阪神が日本一になり、87年の東京再演で巨人、88年の名古屋初演で中日がリーグ優勝しました。95年から96年の3度目の東京公演では95年にヤクルトが日本一、96年には巨人がリーグ優勝。99年の福岡と名古屋の再演でダイエー(現ソフトバンク)と中日がリーグ優勝し、ダイエーが日本一になりました。

 ジンクスは21世紀も続き、01年の3度目の大阪公演で、近鉄がリーグ優勝し、07年から09年までの4回目の東京公演では巨人がリーグ3連覇し、09年には日本一になりました。13年は仙台で公演を行い、楽天はリーグ優勝と日本一に輝きました。14年の3回目の福岡公演では、ソフトバンクがリーグ優勝と日本一、15年の3回目の札幌公演では日本ハムがリーグ優勝と日本一になりました。34年で15回のリーグ優勝、7回の日本一に貢献? しています。

 そして、今年は大阪で公演中ですが、現在、阪神は広島と首位を争っており、優勝の可能性があります。そして、9年ぶりの東京公演となる来年は、ジンクスによると、巨人かヤクルトの優勝が期待できそうです。ちなみに四季版「キャッツ」は上演回数9480回を超えています。世界初演のロンドン版は8950回で閉幕しており、四季版が「キャッツ」では世界最長の1万回を視野に入れています。これからも上演回数が伸びるのは確実で、上演地と優勝のジンクスは続きそうです。【林尚之】