都内某繁華街。自転車で公道を走行していたところ、少し先を走っていたパトカーが緊急停止した。中から警察官2人が飛び出してきて、筆者の方に路上を猛然とダッシュしてきたから、同繁華街では過去何度も職務質問されていたこともあって、一瞬「またか…」と身構えた。

しかし、本日は違った。警察官は筆者の横を全力で走り抜け、100メートルくらい離れた地点の歩道を歩いていた欧米系と思われる外国人男性の元に突撃し、職務質問を開始したのである。あまりの迫力あるダッシュに、筆者を含め、通行人は「事件発生か?」「重要容疑者でも発見したのか?」的な感じで、一斉に警察官を目で追ったほど、一時緊迫した雰囲気に包まれた。

警察官が目を付けた外国人は、40代くらいで、やせ形でおしゃれにひげを生やし、カバンを持ってスーツをびしっと着こなし、ネクタイもしており、一見、普通のエリートビジネスマンにしか見えない。

しかし“職質のプロ”である警察官にとっては、わざわざパトカーを緊急停止して100メートル近くダッシュしても、逃さず職務質問すべきと思った“何か”をその外国人から感じたのかもしれない。

パトカーから降りた警察官は全力ダッシュで外国人男性のもとに走り、職務質問を開始したが…
パトカーから降りた警察官は全力ダッシュで外国人男性のもとに走り、職務質問を開始したが…

外国人は苦笑しながら素直に職質に応じ、カバンの中身を見せ、両手をあげてスーツのポケット内などもすべて開示。警察官2人がすべてのポケットや所有物を入念にチェックしていたのだが、そのうち、近くを巡回していたと思われる別のパトカーも路肩に停車し合流。

そこから、もう1人の警察官が降りてきたから、パトカーが2台も路上に停車した状態で、警察官3人がかりで1人の外国人を囲み、調べまくる…という、はたから見ると、かなりものものしい状況となった。

結局、職務質問はかなり長々と10分くらい続き、何も「怪しいブツ」は出てこなかったのか、その外国人は解放され、当初と同様の苦笑いを浮かべつつ、まいったな~みたいな表情で去っていった。

あそこまでピンポイントでダッシュをかけただけに、筆者も、これは何かがあるのではと思ってしまったのだが、今回は「当たり」ではなかったようだ。【文化社会部・Hデスク】