見た後は、元気になれる作品だ。米国の漫画が原作のスーパーヒーローものだが、ちまたによくある正義を振りかざすようなヒーローとはかけ離れている。

 無法者、殺し屋、凶悪囚人、毒舌なアライグマ、動く植物・グルート。自称・宇宙最強軍団の5人組「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」はワケありの宇宙のはみ出し者ぞろい。小遣い稼ぎに請けた仕事をきっかけに、銀河を救うために巨大な敵に立ち向かう。

 コンピューターグラフィックスを使った壮大なアクションシーンなど見せ場がたっぷり。大宇宙活劇だが、笑いあり、涙あり、なおかつパロディー精神も旺盛。何度もクスッと笑わせてくれる。14年度の世界興収3位だった前作「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」を知らなくても楽しめる。

 キャラクターの描写は細部にこだわりが感じられる。主役のピーター・クイルが愛用するのは「ウォークマン」。ボタンを押すと、1970年代の米国のヒット曲が流れる。音楽も物語の重要な要素となる。個性派集団が1つにまとまるシーンでは心の機微がしっかりと描写され、胸がキュンとした。けっこう奥深い。【松浦隆司】

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