信用詐欺(コンゲーム)を描いた人気シリーズの最新作。映画ならではのスケール感で、マレーシアのランカウイ島を舞台に、ターゲットは総資産10兆円! のクレージーリッチな一族だ。

ドラマ、前作映画に続くチームの安定感は抜群。ダー子(長沢まさみ)ボクちゃん(東出昌大)リチャード(小日向文世)のさっぱりした距離感が心地いい。ちょっと暑苦しい五十嵐(小手伸也)のキャラクターが加わることで、絶妙なチームが出来上がっている。

プリンセスに仕立てられた関水渚が、ストーリーに沿うように表情が豊かになっていくのにもハッとさせられる。

伏線に次ぐ伏線をきちんと回収し、とにかく楽しいエンターテインメントに仕上がっている。だまし、だまされの中に、本当の気持ち(多分)がふと見えるところがいい。

亡くなった三浦春馬さんが演じる恋愛詐欺師ジェシーの笑顔がまぶしい。個性的な登場人物がたくさん登場する同シリーズでもとびきりの、憎めなくて誰からも愛されるキャラクターだった。ダンスのシーンもきれいだった。

【小林千穂】(このコラムの更新は毎週日曜日です)