森友学園の籠池泰典氏には「日本」への強いこだわりがあるようです。森友学園が運営する「塚本幼稚園」を退園させられた元園児の母親によると、幼稚園の秋のバザーへの出品は「メード・イン・ジャパン」という制約がありました。

 バザーと言えば、自宅にある使わない食器やタオルなどを出品したりするものですが、塚本幼稚園では「シーツ、タオルなど良質な日本製のもの」と詳細な注意書きがありました。最近では日本国内でも中国製が多く、日本製を見つけるのも一苦労。「わざわざリサイクルショップで日本製を購入して、出品する保護者の方もいました」。こだわりの理由は「自分でも買いたくなる良質の品物は日本製」だからだそう。

 バザーの収益金は大阪府豊中市の「瑞穂の国記念小学院」のためにも使うことが明記されていました。「本来ならいまある幼稚園のために使われるのがバザーの趣旨であるはず。おかしいな…」。母親はPTAの不透明な会計にも疑問を感じていました。

 息子は2015年4月に入園。15年度のPTAの決算額が予算額と同じで、収支明細が開示されていなかったため、母親は園に説明を求めました。是正されないなら来年度は入会しないと伝えましたが、回答がありませんでした。

 16年4月、16年度のPTA予算案の承認を聞かれ、入会しないと伝えると、塚本幼稚園の事務担当者から電話がありました。途中から園長を務める籠池氏が電話口に出てきました。

 「PTAに入らないなんて聞いたことがない。ワシにこんなこと言わせるなんてどういうつもりや。PTAに入るのが絶対条件や。入れへんのやったら辞めてもらう」

 母親は会計の不透明さ、PTAと幼稚園は別ではないかと主張しましたが、息子は“強制退園”になりました。

 証人喚問では時に気色ばみ、時には笑顔を見せた籠池氏。敵とみなした自民党議員には「たたみかけるよう(な質問)で私に失礼」と「口撃」しました。

 数々の疑惑発覚のきっかけをつくった地元の豊中市の木村真市議(52)も証人喚問を見守りました。

 「当初は何も期待していませんでしたが、かなり突っ込んだやりとりがあり、見応えがあった。籠池氏はウソはついていないと感じました。ただすべて話したわけではない。破れかぶれではなく、守るべきものがまだある。すべてを話していない」

 森友学園が許可申請を取り下げた「瑞穂の国記念小学院」の校舎は三重県産の国産スギが使われています。時計も自動車も「日本製」は信用の代名詞です。真相解明のため、籠池氏には「日本男児」の心意気を見せてほしいものです。

【松浦隆司】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)