5月1日の皇位継承に合わせた新しい元号が4月1日に発表されます。清酒メーカー大手の白鶴酒造(神戸市東灘区)が発売する新元号を記す特別限定ラベルの日本酒の事前予約が急増しています。記念日や何か特別な日、ハレの日のアイテムとして親しまれる日本酒ですが、すでに清酒業界では祝賀ムードが高まっています。

「ラベルのデザインはほぼ完成しています。あとは新元号です」。同社の広報担当者は声を弾ませます。そのときを静かに待っています。

記念商品は同社の社員が知恵を出し合い、こだわり抜いた商品になります。新元号に替わる5月1日、注文数に応じて、しぼります。生産工程は厳密です。新しい元号が始まるその日、1日午前0時前にスタンバイし、時報とともにスタートします。朝にはしぼり終え、原酒場に移動しミクロフィルターでろ過します。 翌2日には灘魚崎工場で朝から瓶詰めを始め、午後から荷渡し作業に移ります。翌3日にクール便で配送予定。会社設立90年以上の歴史がある白鶴酒造ですが「午前0時にしぼりだすのは初めてです」と広報担当者。

原料米には、兵庫県産山田錦を100%使い、精米歩合は70%。720ミリリットル(4合)で参考小売価格は税込み2160円。

3月中旬から事前予約を受け付けたところ、通常の商品よりも一般の人からの注文は約5倍。さらに取引のある飲食店などからは「ぜひ」と好評です。4月15日までに同社のインターネット通販サイトで予約を受け付けていますが、問い合わせも急増しています。 「新しい元号の幕開けに特別にしぼったお酒です。ゆっくりと味わっていただければ」。いよいよ発表される新元号。さて日本酒の名は? 【松浦隆司】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)