宝塚歌劇団の元月組トップスター瀬奈じゅんが、松本白鸚主演で初演50年のミュージカル「ラ・マンチャの男」に出演する。

瀬奈が演じるのは、松本ふんするドン・キホーテが「想い姫」と慕うアルドンザ役。15年には同じ宝塚出身の元月組トップ霧矢大夢(きりや・ひろむ)が同役に臨んでいる。稽古は7月から始まったが、白鸚も参加して本格化したのは8月から。白鸚に対しては「50年演じることは、簡単には言い表せないですが、すごいこと」と感心しきりだ。

楽曲は男役キーを生かしたすごみのある場面から、裏声を使った音階まである。幅広いナンバー。白鸚からは「最初から飛ばしすぎないように」とアドバイスももらったという。

白鸚は、歌舞伎とミュージカルで声の出し方が違うとも教えてくれた。「情感をしっかり入れながら、力加減も考えていきたい。稽古ではどうしても力が入ってしまう」と言い、本番までに調整を重ねる。

退団から10年。自身の前作「細雪」を機に「やっと、ちゃんと女優になれた」と感じた。女優として「さあ、これから」とも感じる。「とにかく役に生きようと思います」と話す表情は穏やかで、充実した日々を物語るようでもある。

☆大阪・フェスティバルホールで9月7~12日、宮城・東京エレクトロンホール宮城で9月21~23日、愛知県芸術劇場大ホールは9月27~29日、東京・帝国劇場で10月4~27日に上演される。【村上久美子】