ロンドンブーツ1号2号の田村淳が、今回はアイドルについて語ります。時に熱く、時に冷静に…。


田村淳がプロデュースするアイドルグループ「スルースキルズ」のライブ
田村淳がプロデュースするアイドルグループ「スルースキルズ」のライブ

 ボクが思うに、これからのアイドルのことを考えると、苦しいだろうなと思うんですよ。14、15歳でこの世界に入って、頑張って結果が出て、20代の前半ぐらいじゃないですか。そこから10年芸能界で頑張っても32歳なんですよ。芸能人って、どこの年から始めて、どの年で終わるのがいいかなと、ずっと考えているんです。やっぱりアイドルは活躍し始める歳が早すぎるんです。


 AKBも10周年とかいうけど、そのたびに元トップだった前田敦子さん、や大島優子さんがクローズアップされる。それはしょうがないんですよね。でもそれをやってたら、次のスターは生まれづらいだろうなと思ってます。結局そこに依存しちゃったままの形のAKBなんですよね。でも、トップを取った女の子が、今後の芸能界でどういう生き方をするのかとても興味がありますね


 アイドルって生き方が難しいですよね。ボクの中でいうと、榊原郁恵さん(56)なんですよね。郁恵さんがいちばん巧みだなぁと思います。郁恵さんってアイドルからタレントになって、メディアに出てない時期がないんですよ。

 家庭があって、芸能一家を築いて、息子さんも芸能界で活躍し始めて、となったら、アイドルのお手本ってこうなんじゃないかなと思うんです。


 郁恵さんは年も上だったし、ボクの世代はアイドルとしての郁恵さんはあんまり興味なかったですけど…。結果、今アイドルの歴史を振り返ったときに、中森明菜さんが成功なんだろうか、小泉今日子さん(48)が成功なんだろうか…松田聖子さんなのか?僕が注目したのは、郁恵さんラインか小泉さんラインかということですね

 小泉今日子さんというのは、それまでのブリッ子みたいなアイドル像を一発で変えてしまった。裸で泥だらけになって写真を撮っていましたっけ。やっぱり小泉さんと郁恵さんというのが好対照であると。賢くないと生き残れないんだな、ということは言えますね。2人とも行動力と実行力を兼ね備えた方なんだなぁと感じます。


 小泉今日子さんは「あまちゃん」で、能年玲奈のお母さん役ですもんね。能年ちゃんは、独立問題でもめているらしいので、小泉さんに支えてもらえると良いですよね…


 でもこれから、独立とかの問題も、増えそうな気がするんですよね。既存の芸能ルールが合わないという体質の人たちが出て来ると思うんです。僕ですら、拒否反応があるので…。でも、外に出ちゃったら駄目だとは思う。ボクも、いろいろなことを言うけど、吉本興業を出ようとは思わないですもん。出たら、関係がなくなっちゃっておしまい。今まで築いてきた何もかもをぶん投げることはないと思う。芸能界はしがらみにまみれている部分がありますけど、中にいて頑張れば変えていける可能性がある。ちょっとずつですけどね。


 男性アイドルだって、変わってきている。彼女がいたとしても応援してくれる空気感になってますもんね。ボクも、20年近く前、銀座七丁目劇場に出ているときは、追っかけとかすごかったですけどね(笑い)。あっ今は全っ然、いないですけどねぇ。


 アイドルはやっぱり大変ですよね。その点、お笑い芸人はいいな(笑い)。今年はジュニアさんも結婚したし、福山雅治さんも結婚したし、この間、ロバート山本博史も結婚してね。みんな、男の結婚は40歳が節目みたいな感じになってる。ボクは2年前に39歳で結婚しましたけど。ボク的には全然節目にしてなかったんですけど、嫁の節目を考えてました。嫁が29(歳)だったんで、「30(歳)前にしたい」、みたいなことをなんか昔聞いたことあるなと思って、それをかなえてあげたぐらいなんですけど。節目じゃないといったらうそになりますけど、人生を10年おきに刻みがちですよね(笑い)。


田村淳
田村淳

 それを考えるとアイドルは何歳まで可能なのかなぁ。AKBの小嶋陽菜は今27歳だけど、もう10年も現役アイドルをやっている。すごいですよね。ここから先10年もアイドルでいられるのか。37歳になっているわけですよね。だからその辺が厳しいんですよね。27歳からの10年を、アイドルとしてどう生きるかというのは、とても大変だと思う。

 でも言い続けたらアイドルですからねぇ。熊田曜子なんかも、シレーっとアイドルっぽい感じで、アイドルとしてまだいますからね(笑い)。だから一回シレーっとするときがくるんでしょうね。アイドルと言わなくても。引退しなければアイドルだということで。


 アイドルも大変だけど、ファンの人も大変だよね。ジャニーズの追っかけなんて、20年以上やっている人もいる。青春をかけて、疲れ切った追っかけ…も大変そうだな。


※連載「ロンブー淳の崖っぷちタイトロープ」は、ロンドンブーツ1号2号田村淳に、日刊スポーツの各分野の記者がさまざまなテーマで取材し、率直に話してもらう企画です。今回は「アイドル」について、よしもと担当の小谷野俊哉が取材しました。

(ニッカンスポーツ・コム連載「ロンブー淳の崖っぷちタイトロープ」)