NHK連続テレビ小説「まんぷく」(10月1日スタート)のヒロインに決まった女優安藤サクラさん(31)が、発表会見で述べた言葉です。昨年6月、夫である俳優柄本佑さん(31)との間に女児を出産したばかり。乳児を抱えたママさん女優のヒロイン起用は朝ドラ初で、安藤さんにも、NHKにとっても大きな挑戦となります。同局が昨年末に宣言した「働き方改革」に背中を押されての挑戦であるとし、サポートへの大きな信頼を語りました。

 NHKの「働き方改革」は、長時間労働に頼らない職場作りを目指して昨年12月に上田良一会長によって宣言されました。特に、撮影が長期になる朝ドラは20年放送分から、大河ドラマは19年放送の「いだてん」から、スタジオ収録が原則午後9時終了となります。20年まであと2年ありますが、安藤さんのサポートに万全を期すため、「22時をめど」にした撮影スケジュールを組むとしています。

 真鍋斎チーフ・プロデューサーによると、クランクインは今年5月。「例年より2~3週間早めにし、制作スパンを長くすることで1日あたりの撮影時間を短くする」そうです。撮影は大阪。赤ちゃんを連れてのマンション暮らしとなる安藤さんのため「お仕事中は託児所を利用したり、局の中にキッズコーナーを設けることも計画中」としています。「すごい演技をする人。朝ドラで毎日見られたら面白い」と安藤さん1択で出演交渉を続けてきただけに、思いもひとしお。上田会長も、定例会見で「ただでも朝ドラは大変。0歳児の赤ん坊を抱えての大阪での撮影となるので、現場はできるサポートはしていただきたい」と話しています。

 安藤さんは、出演依頼があった昨年10月を振り返り、「子供を育てることが第一。やれる気もなかったし、やるつもりもなかった」「朝ドラヒロインはあこがれだったので、話を聞いて悔しかった」と苦悩を明かしましたが、「スタッフの皆さんがアットホームに迎えてくださって『娘さんを一緒に育てましょう』と言ってくださった。飛び込んでみるかと思いました」。

 作品は、インスタントラーメンを世に送り出した日清食品創業者の安藤百福、仁子夫妻の半生をモデルにしたオリジナルストーリー。題材が分かりやすいこともあり、真鍋氏の囲み取材は、内容よりも「朝ドラ初のママさんヒロイン」「働き方改革」に集中しました。ついでに言えば、「31歳」の朝ドラヒロインも話題です。ヒロインは18歳から描かれますが、主に30歳以降の話が中心となるため、安藤さんは適任のようです。

 ともあれ、撮影前から話題豊富なのはいいこと。「マッサン」(14年)、「あさが来た」(15年)など、創業夫婦ものに定評のあるNHK大阪制作。異色ヒロインの奮闘に期待しています。

【梅田恵子】(B面★梅ちゃんねる/ニッカンスポーツ・コム芸能記者コラム)