NHK連続テレビ小説「まんぷく」のヒロイン、立花福子を演じる女優安藤サクラさんが、9月の取材会で語った言葉です。23日に放送された第47話で、この時話していた出産シーンがありました。安藤さん自身、昨年6月に夫の柄本佑さんとの間に女児を産んだばかり。本人が「新しい」「面白い」と自信をみせていたシーンだけにひそかに注目していたのですが、確かにリアリティーはあるけれど全体的にちょっと面白い、「まんぷく」らしい感動シーンでほっこりしました。

朝から生々しすぎず、大げさすぎず、しつこすぎず。お産婆さんと息を合わせた踏ん張りのどアップに応援しがいがあって、コミカルと神々しさのバランスが絶妙。やはり「そんなに年月がたっていない」安藤さんだから表現できた説得力だと感じました。締め出された夫の萬平さん(長谷川博己)と14人の“塩軍団”が、ガラス戸の外から声援を送ったり、変な呼吸法を合わせてみたり。男衆の喜びように、終戦からようやくここまできた人たちのさまざまな人生が重なっているようで、いいシーンでした。

ちなみに、取材会で安藤さんは自らの子育てについても語っています。

ヒロイン役のオファーを受けたのは、出産からわずか4カ月後。「娘さんを一緒に育てましょう」という制作陣の熱意に応えて大役を引き受け、東京を離れて娘さんと大阪暮らしをしています。撮影中は局内のキッズスペースなどでさまざまな人との出会いがあるようで、「スタッフの皆さんも、受付のお姉さんも大御所の俳優さんも、みんなが家族のように育ててくれています。私の人生も娘の人生も、特別な時間をいただいています」。休みの日は、大きな公園で一緒に遊んでいるそうです。

母になって変わったこととして「体力」を挙げ「演じる体力を含め、すべてにおいて、母ちゃんになったらパワーがみなぎるようになりました。すべてがエネルギーに満ちあふれている感覚に驚いています。今だからこそ、ヒロインという役割ができていると感じています」。

福子は産後の栄養失調でしんどそうでしたが、萬平さんが新たな発明に乗り出すきっかけに。栄養食品の開発という新規事業のゆくえと、母になったヒロインのさらなるバイタリティーに期待します。

【梅田恵子】(B面★梅ちゃんねる/ニッカンスポーツ・コム芸能記者コラム)