民放4月改編の目玉となる、月曜~金曜の情報系新番組が一斉にスタートした。TBSとフジテレビが打倒「ミヤネ屋」の生放送をスタートさせたほか、キャスターの新顔も話題だ。全局の改編発表で見どころやねらいを取材した立場から、午後の新しい3番組を見た印象を、勝手な見解と好みでまとめてみた。

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 ◆フジテレビ「直撃LIVE グッディ!」(午後1時55分~同3時50分)安藤優子/高橋克実

 「知りたがり!」の挫折から丸2年。フジが再び打倒「ミヤネ屋」に腰を上げた目玉番組だが、最初のトピックがドラマの番宣という志の低さでたまげた。「ミヤネ屋」がさっさとトップニュースに入る戦闘態勢の中、こちらは4月連ドラに主演する斎藤工を「特別ゲスト」として盛大に迎え、作品の見どころという内輪ネタ。安藤さんが医師役の斎藤工に「私、39度の熱が出たの。診てほしい」と大はしゃぎ…。記念すべきトップニュースは「三菱テレビの不具合」というインパクトのないチョイス。ミヤネ屋がいないところを探して歩く、謎の行儀の良さだった。

 とはいえ、安藤さんと高橋克実の相性が良く「当たり」と感じたのも事実。テンパった自分を隠そうともしない高橋克実の元気なおじさんぶりが素晴らしく「わたくし、おろおろして1ページ先を読んでしまいました!」の大声になごむ。横から「違う!」「まだ早い!」とスパルタな安藤さんと、ドSとドMのいいコンビ。飾らない男の横で安藤さんの肩ひじ感も薄まり、持ち前のおばちゃんパワーを開放。佐賀県の温泉PRビデオのゆるネタでは、「コンセプトが間違っている」と直言。引きつる男性陣を意に介さず「温泉に行く主な人は女性であることを制作者は分かっていない。美女の裸体を見せられても女性は引くだけ」と説教を完遂し、別の方向性で毒気が出ていて興味深い。

 視聴習慣が定着していないこの時期は、視聴率(1部)も3・6%→2・2%→4・3%→2・5%とまちまち。「続きはCMの後」と引っ張りまくる手法にチャンネルを変えたくなるけれど、とりあえず経過観察。

 ◆TBS「ゴゴスマ GO GO! Smile!」(午後1時55分~同2時53分)CBC石井亮次アナウンサー

 SMAPの番組かと思った…。こちらも打倒「ミヤネ屋」だが、TBS制作ではなく、系列のCBCが中京エリアで放送している人気番組を置く変化球。「会見などが開かれることが多い午後の時間帯に、緊急ニュースに対応できる生の枠を持っていたい」(編成局)。自社制作したい気持ちは大いにあるものの、「あさチャン」と「ビビット」に人材と労力を集中しているため、ひとまずこの編成になったという。読売テレビの「ミヤネ屋」が東京でスタートした時と事情は同じ。第2のミヤネ屋に化けたら面白そうだが、4月2日の視聴率は1・6%という段階。

 画面を見て「誰?」と戸惑うMCは、CBCの石井亮次アナ。NHKの地方アナのようなたたずまい。番組自体は3年目とあって、記念すべき東京初日でも気負いはなく、トップニュースは「羽生結弦の世界フィギュアと大量のプーさん人形」。大久保佳代子はもともとこちらの月曜レギュラーなので、朝の「ビビット」に続きダブルヘッダーの珍現象が起きている。

 ヘリからの桜の中継では「こちら名古屋市瑞穂区の上空です」。意表を突くローカル情報に吹き、くぎ付け。地上からの中継では、初めて見る若手アナが「桜の名所、鶴舞公園にやって参りました」と初めて見る名所。インタビューを受ける人たちが名古屋弁。お天気コーナーが「美濃=晴れ、飛騨=晴れ」。文字通りの、見たことない番組。名古屋出張している気分というか、これはこれで斬新。

 ◆フジテレビ「みんなのニュース」(午後3時50分~同7時)伊藤利尋アナ/生野陽子アナ/椿原慶子アナ

 「グッディ」と合わせて平日午後を計5時間の生放送に改編したフジが、夕方ニュースを21年ぶりにリニューアル。伊藤利尋アナら局アナ3人を中心に3時間。

 何でもお笑いタレントを配置するイージーな情報番組作りと一線を画した挑戦は応援したいけれど、スタジオ、フィールドリポーターともに局アナだけだとかなり地味だと実感する。亀山社長自身「自前のアナウンサーだけでニュース番組をやるのはチャレンジだと思っている」と自覚している挑戦。「解説者でも専門家でもない立場だからこそ、視聴者目線で聞ける」と狙いを語るが、頼みのコメンテーター陣も局アナみたいに無難なラインアップ。没個性で3時間はしんどく感じる。視聴率も、4月2日の時点で1部2・9%、2部3・2%と苦戦している。

 辺野古の移設問題、テレ朝「報道ステーション」の古賀発言騒動、ドイツ機墜落続報、羽生結弦帰国という無個性な流れも、新番組らしからぬ安定志向でじじむさい。他局の報ステ騒動に乗っかっている場合ではないと思う。額縁が地味でも、面白い視点や面白い話が展開するぜいたくを味わえる試みだと思うので、たまには脱線したり、感情的になったり、トンデモ発言をする人が出たりというライブ感があってもいいのでは。

 面白かったのは、ジャーナリスト津田大介氏が案内する、「ネットの話題」に特化した5分くらいのコーナー。「卒業証書もデジタル時代」とか、どこもやっていない話題が新鮮。ニコリともせずに興味深い話題を淡々と話すスタイルに嫌みがなく、何本でも見たいと思わせるなるほど感とお得感。スポーツ担当の永島昭浩キャスターは相変わらずかみまくって安定。

※視聴率はビデオリサーチ調べ(関東地区)。

【梅田恵子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能記者コラム「梅ちゃんねる」)