波瑠(24)主演で28日にスタートするNHK連続テレビ小説「あさが来た」第1週(6話分)の試写会が先ごろ行われた。朝ドラ初の幕末スタートという話題性もあってか、77席あるNHK最大の試写室は急きょ30近い補助席が用意される盛況ぶり。会場の反応も抜群だった印象で、出演者への質疑応答や、制作統括の囲み取材も活発だった。せっかく試写を見たので、第1週の印象を勝手にまとめてみた。

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◆ヒロインが豪快

 京都の豪商に生まれ、後に女性起業家のパイオニアとなった実在の人物がモデル。第1週は子供時代なので、ヒロイン今井あさを演じる波瑠の登場は冒頭部分だけだったけれど、日本初の女子大を設立した人の明るく底抜けなリーダー像は、ファーストシーンだけでもインパクトがあった。「人生はアドベンチャー」と言った「マッサン」のエリーに通じるブレない魅力を感じた。

 制作統括の佐野元彦エグゼクティブ・プロデューサーによれば、波瑠の起用は「相撲」で決まったという。相撲が得意という設定のため、ヒロインオーディションの課題シーンに相撲があった。佐野氏は「おしとやかなイメージが強いが、相撲のとりっぷりが良かった。腹の据わったヒロインと同じバイタリティーを感じた」。実際、第2週以降、相手役の玉木宏を豪快にぶん投げている。波瑠は「玉木さんが1人で飛んでいってくれて、気持ち良かった」と明るい。

◆子役鈴木梨央の無双ぶり

 おてんばぶり、へこたれない感じ、度胸の良さに加え、悲しくてギャン泣きしたり、透き通るような姉妹愛が胸に染みたりと、主人公あさの子供時代を鈴木梨央(10)が生き生きと見せてくれる。大河ドラマ「八重の桜」(13年)でヒロイン綾瀬はるかの子供時代を演じた時は大いに泣かせてくれたけれど、今回はそろばんなどの小道具ひとつでかなり笑わせてもくれる。佐野氏は「1週目の台本を見て、コレできる子いるのかと思ったが、こちらの期待に常に倍返しで帰ってきた。耳がいいのか、京都弁も素晴らしい」。

 梨央ちゃんが「いちばん大変だった」という転ぶ場面では、曲芸みたいなすっ転び方で狙い通りの大爆笑が起こっていた。仕事モードの試写室も、笑ったり、もらい泣きしたり。波瑠は「小さい時のあさを、私がここから引き継いでいくんだなと頼もしかった」。役をきちんと引き継ぎ、波瑠に変わる第2週の予告編はなかなかの感動回の雰囲気。佐野氏は「2週目まで同時上映したいくらい」と、2人のヒロインを評した。

◆第1週限定、玉木宏と子役の“ラブシーン”

 豪商同士の縁組は、生まれた時から親同士が決めている時代だったようで、まだ子供のヒロインと、両替商の次男新次郎を演じる玉木宏がいいなずけ同士として顔を合わせるシーンがちょいちょいある。史実通りとはいえ、むすっと警戒している梨央ちゃんの前で、25歳上の玉木(ドラマ上は11歳差)がひょうひょうと座っている風景はかなり面白い。玉木は「どのさじ加減でやればいいか。難しい役で」と照れ笑い。「考えすぎるとよくない方向に行ってしまうので、さらりと気持ちに寄り添って演じました」。

 新次郎はいずれヒロインの最大の理解者となる人。子供相手にただ者ではない人間力が伝わるシーンを、脚本の大森美香氏と玉木が魅力的に描いていて、見ていて不思議とロリコンの一線を越えない。試写室もくぎ付けという雰囲気で、爆笑だったり、ほほ笑ましかったり、納得だったり。佐野氏は玉木について「チャレンジングな役だが、こちらの期待を全部クリアしてくれている」と感激の様子。あらゆる意味で、朝ドラ史に残るインパクトがあるのは間違いない。

◆音楽

 AKB48の朝ドラ初主題歌「365日の紙飛行機」は、こんなAKBもあるのかという明るめのフォーク調。山本彩の温かい歌声と、柔らかいギターの音色が、このドラマのまっすぐな世界観に合っていて、観る人や、登場人物の背中を押してくれる感じ。第1週6話分の試写だったので6回連続でこの曲を聴くことになったが、メロディーも覚えやすく、そのままスッと物語に入れる雰囲気だ。

◆流行るか「びっくりぽん」

 第1週では「びっくりぽん」というせりふが5回登場した。「あまちゃん」の「じぇじぇじぇ」のように、驚いた時に口にしている。佐野氏は「流行らせようと狙っているわけではない」と笑い「『わぁ、びっくり』と好奇心旺盛なヒロインのキャラクターを象徴する言葉。年齢とともに『びっくりぽん』も進化します」。

 確かに、嫁いですぐ明治維新、趣味人の夫に代わり大店を経営、子育て、炭坑事業、生命保険会社立ち上げ、日本初の女子大創設など、番組資料を見てもびっくりぽんな人生。第1週を見てこの人のファンになったので、大いにびっくりぽんしながら楽しみたいと思う。

【梅田恵子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能記者コラム「梅ちゃんねる」)