3日未明にNHKで放送されたサッカーW杯決勝トーナメント、日本対ベルギーの視聴率が30・8%だったことが明らかになった(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。今大会は、コロンビア戦での48・7%など、視聴率的にも大きな注目を集めた。裏番組はゆるい特番でやり過ごすセオリー通りの展開となったが、意外な番組が地味に健闘していたりする。W杯の裏で確かに放送していた番組の戦いぶりをメモしてみた。

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 【6月19日 コロンビア戦/NHK午後8時45分~同11時、視聴率前半42・8%、後半48・7%】

 ゴールデンタイムだっただけに、裏の各局は消極策ながら特番を編成。コロンビア戦以外の“その他視聴率”争いを展開した。

 トップはテレビ朝日「特捜!映像Xファイル」(午後8時半~同9時54分)の8・3%。埋め草特番のスタンダードである衝撃映像ものの編成だったが、テレビをつけていた人の10・7%の占拠率を獲得した。「警視庁・捜査一課長」シリーズでおなじみの俳優内藤剛志がスタジオMCという身内感ながら、前週、米朝首脳会談で午後9時から拡大放送された報道ステーションの7・0%よりも高い数字を出していた。後半戦と重なった10時枠の報ステは6・0%で裏番組4位。

 2位はTBS「予約殺到!スゴ腕の専門外来SP」(午後8時~同11時)の7・2%。不定期に放送している特番の11弾。4月に放送された第10弾の8・9%よりは低かったものの、W杯を相手に健闘した。10時枠は火曜ドラマ「花のち晴れ~花男NextSeason~」。最終回直前のタイミングで5・2%というあおりを受けたが、翌週の最終回は9・5%に戻した。

 得意のナツメロ路線を編成したテレビ東京「100年先まで残したい日本の名曲3時間SP」も6・6%と健闘して3位。太川陽介、草野満代をMCに、歌謡史に残したい120曲を秘蔵映像で振り返り、手堅い固定層にアピールした。日本テレビ「世界で笑いと驚きが起きた瞬間200連発!?」(午後9時~同10時54分)は5・5%、映画「ボクの妻と結婚してください。」を放送したフジテレビは3・6%だった。

 【6月24日 セネガル戦/日本テレビ午後11時40分~深夜2時10分、視聴率30・9%】

 深夜0時キックオフという深い時間帯だっただけに、裏番組も1~2%台の戦い。NHK「ニュース・気象情報」2・9%、TBS「ゲンバビト」2・5%、テレ朝「ANNニュース&スポーツ」2・2%など。

 【6月28日 ポーランド戦/フジテレビ午後10時40分~深夜1時10分、視聴率44・2%】

 午後11時キックオフだったので、他局は主にニュースの時間。日テレ「NEWS ZERO」が2・9%で最も高く、TBS「NEWS23」は1・3%まで落ち込んだ。テレ東「ワールドビジネスサテライト」も1・3%。NHKは「W杯デイリーハイライト」4・5%、テレ朝は「アメトーク!」3・1%。深夜とはいえ、第2戦に比べてまだテレビを見ている人が多い時間帯。テレビをつけていた人はほとんどサッカーを見ていたようで、占拠率は予選リーグ3試合で最も高い73・5%だった。

 【7月2日 ベルギー戦/NHK午前2時45分~同5時、視聴率30・8%】

 深夜3時キックオフのため、他局はほとんどが通販番組。視聴率も1%に届かない横並びで、NHKの総取り状態。視聴占拠率は87・8%だった。

※表記は日本時間。日時はビデオリサーチの区分で統一。

【梅田恵子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能記者コラム「梅ちゃんねる」)