「ガラパゴス携帯(ガラケー)」と呼ばれる従来型の携帯電話が根強い人気だ。高精細カメラなどの高級志向はスマートフォンに譲り、シンプルなつくりと低価格路線にかじを切った。これまで機能の進化を競ってきたガラケーが、“退化”に生き残りをかけている。

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 ケータイ」として紹介する従来型携帯は4機種ある。カメラの画素数が1000万を超えるのは1機種しかなく、機能を絞った。一括払いの中心価格は3万円前後と、従来よりも割安だ。広報担当者は「ハイスペックな端末より購入価格を抑えたいという要望が強い」と話す。

 2012年春発売のモデルを今でも扱うのはソフトバンクモバイル。機能の進化が止まった古い機種でも通話やメールの使用が中心なら、用途を十分満たすためだ。KDDI(au)がサイトで案内するのは3機種。京セラ製しか取り扱いがないが、「多くの方のニーズをカバーできている」(広報部)という。

 14年の総務省の情報通信白書によると、従来型携帯の保有率は28・7%で、米英や韓国など世界6カ国の中で最高だった。高齢者を中心に依然として利用者が多い。

 製造する国内の端末メーカーにとっては、スマホのように安売り競争に巻き込まれにくいという利点もある。東京都内の販売店の担当者は従来型携帯について「数は出ないけど、求める層がピンポイントでいるからあまり値引きしない」と話した。