耳の不調で昨夏、ライブ活動休止を発表した歌手氷室京介(54)のファイナルライブが、来春に開催されることが1日、分かった。氷室の意向により、当日に披露する楽曲はファンのリクエストで構成することも決定した。

 氷室のファイナルライブは、ファンとともに作る。関係者によると、リクエストから募る当日のパフォーマンス曲は、20曲以上になる予定。氷室はBOφWY解散ライブから3カ月後の1988年7月、「ANGEL」でソロデビューした。リリースしたシングルは32枚、アルバムは18枚。アルバム収録曲、配信限定シングルなども含め、これまでソロとして発表した全楽曲約200曲がリクエスト対象となる。

 リクエストを広く募集するにあたり、通信カラオケ大手、第一興商との合同キャンペーンも決定。募集時期は未定だが、公式HPや第一興商が営むカラオケ店などからリクエストできる予定だ。

 このスタイルにこだわる背景には、氷室自身の「リベンジ」の思いもある。昨年7月13日、ソロ25周年記念全国ツアーの山口・周南市での公演で「氷室京介を卒業しようと思う」と表明。公式サイトで、15年以降のライブ活動無期限休止を発表した。同ツアー最終公演となった昨年7月20日の横浜スタジアム公演では、ファンに「7年くらい前から右耳の調子が悪かった。左耳も、あるトーンだけ聴こえなくなった」と病状を直接報告。リハーサルに胸部骨折し、落雷で同公演が中断するなど、満足のいくパフォーマンスができなかったとし、「プロとして申し訳なかった。このリベンジを必ずどこかでします」と約束していた。

 現時点でのリクエスト対象曲はソロ曲だけで、BOφWYの楽曲は含まれていない。一方、元メンバーの布袋寅泰(53)は、日刊スポーツなどの取材で「(ファイナルライブ出演は)自然に任せたい。断る理由はないですね」と語った。かつての仲間、アーティストたちも注目する氷室のファイナルライブは、着々と具体化している。