吉永小百合(69)が10日、都内で東日本大震災と福島第1原発事故に見舞われた福島県民の詩を読む朗読会「祈るように語り続けたい」を開いた。86年から広島、長崎の原爆詩の朗読を続け、CD「第二楽章」3部作を出した。被災地・福島の復興支援を目的とした、9年ぶり4作目の「-福島への思い」が今日11日に発売されることを記念した会。吉永は悲痛なくだりを読む時、表情に悲しみをにじませた。

 震災から4年が経過。「あっという間に、何も解決しないまま、たってしまった。残念な思いがある。朗読することで私たちは忘れないよ、とメッセージは出せる。続けたい」と復興の現状を憂えた。来日したドイツのメルケル首相が、脱原発に方向転換したことを歓迎し「政府の偉い方にCDを持っていって聴いてもらいたい。いかに人間がいい状態で生きていくか考えてほしい」と訴えた。

 吉永はCDの自身分印税と、この日、会場で102枚売れた、自身がデザインしたTシャツ(1枚2000円)の収益を、被災者支援のために寄付する。