KAT-TUN亀梨和也(29)が音楽劇「青い種子は太陽のなかにある」(8月10~30日、東京・渋谷のオーチャードホール)に主演し、演出家蜷川幸雄氏(79)と初めてタッグを組むことが10日、分かった。故寺山修司氏(享年47)の戯曲で、今回が本格的な初上演。亀梨は「初めてのことづくしの時間になる」と意欲をみせている。

 亀梨が、世界的に活躍する演出家蜷川氏の舞台に初主演する。東山紀之、森田剛、松本潤らジャニーズ事務所の先輩たちが厳しい蜷川演出の洗礼を受けて俳優として成長した。蜷川氏も以前から亀梨に注目していた。2人の最初の出会いはジャニーズ事務所社長のジャニー喜多川氏(83)がきっかけだった。

 蜷川氏は「大阪で芝居をしている時にジャニーさんと一緒に現れました。魅力的な青年だな、いつか一緒に仕事をするという予感がありました」と振り返る。その後、亀梨は帝劇で座長公演を行い、今年も映画「ジョーカー・ゲーム」、ドラマ「セカンド・ラブ」に主演するなど、俳優として力を蓄えてきた。蜷川氏は「今回、予感が実現してうれしいです。しなやかな肉体と、しなやかな感性がとても魅力的です」と、稽古を楽しみにしている。

 「青い種子-」は82年に亡くなった劇作家、寺山修司氏が28歳の時に書いた問題作。60年代の高度成長期の日本で、個性的なスラムの住人たちのドタバタや若者の悲恋を、反体制の視線で描いた。発表時に小さな劇場で上演されたことはあるが、本格的な上演は今回が初めてとなる。音楽は松任谷正隆氏(63)が手掛ける。

 オーチャードホールは通常はクラシックコンサート、オペラ、バレエなど行う客席2000の大ホールで、蜷川演出らしい壮大な音楽劇になる。死体隠匿の現場を目撃して騒動に巻き込まれる工員の賢治を演じる亀梨は「初めてのことづくしの時間になると思いますが、蜷川さん、松任谷さん、キャストの皆さん、スタッフの皆さん、すべての方々からいただく刺激、教えをしっかり形にできるよう、準備をしていきたいと思います」と意気込んでいる。

 ▼蜷川氏は「優秀な人が多い」とジャニーズの俳優と数多くタッグを組んでいる。89年「盲導犬」の木村拓哉をはじめ、「ペール・ギュント」で岡本健一、「さらば、わが愛 覇王別姫」で東山紀之、「シブヤから遠く離れて」で二宮和也、「エレクトラ」で岡田准一、「血は立ったまま眠っている」で森田剛、「あゝ、荒野」で松本潤、「サド侯爵夫人」で生田斗真、「冬眠する熊に添い寝してごらん」で上田竜也と組んだ。