英歌手ポール・マッカートニー(72)が21日、約2年ぶりの日本公演「アウト・ゼアー ジャパン・ツアー2015」を京セラドーム大阪からスタートさせた。昨年予定していた日本ツアーは、来日中に体調を崩して全日程を中止。今回は体調を万全にして、“リベンジ”ツアーの幕を開けた。

 開始が40分遅れ、観客約4万人が祈るような思いで、その瞬間を待った。ポールが姿を見せると、総立ちになった。昨年5月に予定していた日本ツアーの初日、東京・国立競技場公演は開演直前に中止を発表。11カ月が過ぎ、待ちに待った日本公演が始まった。

 オープニング曲は、ザ・ビートルズの大ヒット曲「マジカル・ミステリー・ツアー」。2年前と同じ「アウト・ゼアー」ツアーだが、楽曲を変え、2015年版ツアーの幕開けを感じさせた。歌い終えたポールは人さし指や親指を高く突き上げ、絶好調をアピール。そして、会場をゆっくり見渡しながら言った。

 「マイド、オオサカ。カエッテキタ。カエッテキタヨ!」

 たどたどしくも心を込めた日本語のあいさつに、ファンは大歓声で応えた。全37曲中、23曲がザ・ビートルズの構成は、前回の初日公演と同じ。23曲のうち2曲を変え、あらたに最新ソロ曲「ホープ・フォー・ザ・フューチャー」を盛り込んだ。

 元気なポールを印象付けた。前日20日早朝に関空に到着。同日午後8時半から、早速京セラドームでリハーサルを1時間かけて行った。また、この日の直前に行ったサウンドチェックでは、ギターやピアノを弾きながら14曲を披露。サウンドチェックでも本番でも、序盤でジャケットを脱ぎシャツの腕をまくり、熱のこもったパフォーマンスを展開した。

 体調管理も怠らなかった。最終リハーサルでは、ペットボトルに何度か手を伸ばして水分補給。本番では水を一切飲まず、約2時間半の公演を走りきった。

 「必ず戻る」と再来日公演を約束し、有言実行したリベンジツアー。明日23日からの東京ドーム3日間公演と28日の日本武道館公演を含め、5公演で20万人を動員予定。この日も「ノッテルカ」など日本語を盛り込み、日本ファンを喜ばせた。「ホナマタ!」。最後に関西弁で再訪を誓った。【近藤由美子】