5人組ロックバンド東京カランコロンが9日、大阪市内で日刊スポーツの取材に答え、今日10日リリースの新曲「スパイス」をPRした。6枚目となる本作は人気アニメ「食戟のソーマ」のエンディング曲に採用された。ボーカルとギター担当いちろーは「原作コミックを読み返してから詞を書き下ろした」。原作漫画は料理を題材に展開するが、いちろーは普段調理を「ほとんどしない」とのこと。それでも「食卓囲もう」というフレーズが、料理の食べる楽しみを爽やかに伝える。カップリングには、メンバーも小さい頃から知っているアニメ「キテレツ大百科」で流れた「お料理行進曲」をカバーして、テーマを統一させた。

 地元大阪出身のボーカルとキーボード担当で唯一の女性メンバー・せんせいは「料理はよく作ります。カレーは外で食べることが多いですが」。好きな調理スパイスを聞いたが、「そうですね、クミン…」と困った様子。一方で「人生のスパイス」について聞くと、「お父さんですかね」と即答。厳しい父親だったそうで、「いまでもダメなことはダメと叱ってくれる。そして応援してくれる」。活躍の幅を広げるせんせいにとって原点をピリリと思い出す香辛料のような存在だ。

 バンドは09年に現在のメンバー編成で活動開始。12年8月のメジャーデビュー以降、メキメキと実力をつける。比例するようにライブ会場も大きくなっていくが、以前より「お客さんとの距離が縮まった気がするんです。自分たちのことを深く知ってくれて、音楽に身を委ねてくれているような」とせんせい。いちろーも「前作はライブを意識してアルバムを作ったが、いまは音源をリアルに丁寧に伝えるようにライブに臨んでいます」。テレビ・アニメとのタイアップでファン層拡大は必至だが、「すでにある知識をこねくり回して曲を作るのではなく、今までいらないと思っていた分野も知らないと自覚して、新しい曲を作りたい」。未知との遭遇こそ「スパイス」と語るいちろー。メンバー相互の個性が絡まって、新たな東京カランコロンに出会えそうだ。

 新曲を引っ提げ全国を巡ったライブハウスツアーに続き、初のホールツアーが控える。12日が名古屋アートピアホール、13日が大阪NHKホール、7月10日が東京・中野サンプラザホール。詳細は公式サイト(http://tokyokarankoron.com/)を参照。