NHK定例会長会見が2日、都内で行われ、籾井勝人会長(72)が、自民党衆院議員による報道機関への圧力発言や、会長就任1年半をへての感想、視聴率が低迷する大河ドラマ「花燃ゆ」などについて語った。

 自民党衆院議員の発言に、籾井会長は「NHKも加盟する日本新聞協会の編集委員会も声明を出している。これにつきる。言論の自由は民主主義の根幹。我々も厳密にウオッチしていかないといけない。我々は表現の自由のもとに、放送法にのっとって公平公正、なん人からも規律をされることなく放送を行っていく」と語った。

 また、NHKの経営委員を経験した百田尚樹氏も同様な発言をしていた。籾井会長は「経営委員そのものも、経営委員会以外の発言は問われないのが大原則。百田委員は辞任している。この場で百田氏の発言について言うのは適切じゃない」とした。

 また、籾井会長は、就任1年半をふり返ってこれまでの自分の仕事を自己採点し「実務に遅滞はなかったのであまくなりますが80点ぐらいあげてもいいのでは」と語った。だが、昨年の就任会見の発言がもとで、国会に何度も呼ばれたり、私用で使ったハイヤー代金をNHKが立て替えていた問題もあった。取材陣からこれらの問題を含めたらと問われた籾井会長は「よく分かりません。0点でもいいですよ」と笑った。

 また、「花燃ゆ」については「みんな一生懸命にやっているが、思ったほど視聴率が伸びないのが悩みのたね。素人考えですが、今まで主人公らしき人がいっぱい出てきた。みんな死ぬんですよね。このへんが盛り上がらない大きな理由かな。これからは井上真央さんが活躍し、焦点がはっきりすると思う。そこに私としてはかけたい。話は今度、ポジティブになっていく。今まではみんな死んじゃうでしょ。死んじゃうから人間の心が上向かないということかなと思う」と語った。

 一方、なでしこジャパンのW杯決勝進出にもふれ「運がいいですよね。運も勝負の時には大事な要素。今まで楽勝の試合はなかった。これがかえっていいかもしれない。今回も粘ってくれるかもしれないと期待している」と語った。