女優黒木瞳(54)が映画監督に初挑戦することが22日、分かった。作家桂望実氏の小説「嫌な女」を映画化する。原作にほれ込み、映画化を実現するため、自らメガホンをとることを決意した。女優の監督挑戦は国内外でも例が少なく、大胆なチャレンジとして注目される。現在撮影に向けて準備中で来年公開予定。

 助監督などのメーンスタッフは、「失楽園」などかつての主演映画で現場を共にした旧知の面々がそろい、新人監督を支える態勢が整った。現在も撮影に向けたロケ地探しや美術、衣装、音楽などの打ち合わせを重ねている。「自分の想像以上の演技や表情を見て驚きたいから」と、自分は監督に専念し、出演は見合わせた。主な出演者は後日、正式発表する。

 ◆映画監督に挑戦した日本人女優は少ない。小津安二郎監督や溝口健二監督ら大物に起用された田中絹代さん(享年67)が成瀬巳喜男監督の指導を受け、53年に「恋文」を初監督。その後「流転の王妃」「女ばかりの夜」などを監督した。最近では06年に桃井かおり(64)が自分の小説を映画化した「無花果の花」で監督に初挑戦。ハリウッドではジョディ・フォスターが91年「リトルマン・テイト」で監督デビュー。その後「それでも、愛してる」などの映画やテレビシリーズも演出。アンジェリーナ・ジョリーは11年「最愛の大地」で監督に初挑戦した。