中咽頭がんを患い療養中の音楽家坂本龍一(63)が、映画「母と暮せば」(山田洋次監督、12月12日公開)の音楽を担当し活動を再開するにあたって、現在の心境を明かした。

 坂本は3日、公式サイトに文書を掲載。昨年、咽頭がんに罹患(りかん)していることがわかりすべての仕事をキャンセルして治療に専念することになったことにより迷惑を掛けたとして関係者に謝罪するとともに、多くのファンや友人からの励ましを受け、「こんなに心に響いたことはありませんでした。ありがとうございました」と感謝した。

 病気の発覚については「実は自分が1番驚いたのです」と振り返った坂本。20年以上前から健康に大きな関心を寄せ、マクロビオティックや無農薬有機食品を摂ることなどを心がけてきたという。そんな健康への自信から、喉に違和感を感じた際も、「万が一にもそれががんだとは疑いもしなかったのです」と明かした。

 病気発覚から1年が過ぎ、「おかげさまで今は体調もよくなり、仕事に復帰しようと思います」と、「母と暮せば」の音楽を担当することを報告。ただ、当分は自宅でできる作曲の仕事を優先するとのことで、当分ライブは控えるつもりだという。

 また、病気と関わり、「陳腐に聞こえるかもしれませんが、病気は天=自然から与えられた気づきへの徴だと思い、感謝しています」と思うに至ったという。「また病気以前の生活に戻ってしまわないよう、与えられた日々を大事にしていきたいと思っています」とつづった。