川島なお美さん(享年54)は亡くなる8日前まで舞台に立ち、「女優」としてのこだわりを持ち続けた。自宅マンションの表札はイタリア語で「女優」という意味の「ATTRICE」と記された。女優のプライドでがんと最後まで闘った。

 女優のプライドは、表札にも現れていた。通常、住居の表札は名前や会社名が書かれるが、川島さんの自宅マンション1階、オートロックのインターホン上部にある住民の名前が書かれた表札には「ATTRICE(アトリーチェ)」と記されていた。イタリア語で「女優」の意。女優にこだわった川島さんならではの表札だった。

 取材によると、川島さんは40代の時、ひそかに劇団四季ミュージカル「マンマ・ミーア!」のオーディションを受けていた。結局、出演はかなわなかったが、有名になっても、さらに飛躍するための挑戦をいとわなかった。女優として生き抜く、執念とプライドを最後まで失わなかった。