NHK大河ドラマ「花燃ゆ」(日曜午後8時)の最終話(12月13日)クライマックスシーンが5日、分かった。井上真央(28)演じる美和は、大沢たかお(47)が演じる楫取素彦(かとり・もとひこ)と、前話で再婚。明治維新、文明開化の象徴だった鹿鳴館での社交界に夫婦で招待され、ダンスを踊るシーンだった。

 美和にとって、楫取は姉の夫だった人物で初恋の相手。収録を振り返り、大沢は「僕はダンスが得意じゃないから、意外なほどに自然に踊れて、すごくいい時間でした。夫婦役でなくとも、1年間も撮影をともにしてきた歴史があったからの感覚でした」。井上は「ずっと、着物でお芝居して、多くの人を亡くしてきた役だったので、洋装で2人でこうなるということが感動でした」と話した。

 さらに、踊りながら「きれいじゃ」と言われた井上は、「本気で照れました。激動の幕末と明治維新を駆け抜けて、いろんな感情を共有してきた2人が『あっ、幸せになっていいんだな』って思えた瞬間でした」。2人は第1話で「運命の出会い」をしながら、気持ちを抑え続けた関係だっただけに、最後に訪れたハッピーエンドをかみしめた。大沢は「夫が妻にこんな言葉をかけられる新時代になったという意味でもありました。僕個人でも女性にこうは言わない人間なのに、ここでは素直な思いを伝えられました」。そんな穏やかな気持ちを表すように、ゆったりと優雅な踊りだった。

 明治維新編に入り、3週連続で視聴率も上昇中。クライマックスに向け、「花燃ゆ」が盛り上がりを見せている。【瀬津真也】