デビュー40周年を迎えた舘ひろし(65)が初のベストアルバムを発表することが11日、分かった。クールス時代も含む35曲入りの豪華盤「アンソロジー 40th アニバーサリー ベストアルバム」を12月9日に発売する。レコード会社移籍も数回経験しているが、メモリアルイヤーを機に、垣根を越えた決定盤誕生が実現した。

 舘は75年にロックバンド「クールス」で音楽活動をスタートさせ、シングル「紫のハイウェイ」などのヒットで若者を熱狂させた。その後、活動の軸足を俳優に移すが、ソロ歌手として84年シングル「泣かないで」が大ヒット。以降もドラマ「あぶない刑事」の主題歌をヒットさせるなど歌手としても存在感を示してきた。今回のアルバム発表について「気がつけば、私もデビューして40年という歳月が過ぎたそうです。あまりピンとこないのですが。節目に『今までの音楽活動をまとめてみないか』とお話をちょうだいし、レコード会社の垣根を乗り越えた初のアルバムをリリースすることになりました」と話している。

 選曲も手掛けた。「懐かしい音を聴きながら選曲して聴き返しますと、その時代その時代で支えてくださった多くの方々がいらしたのを実感します」。エピックソニー時代の「ブルージーン・ベイビー」などが今回初めてCD化される。ジャケット写真は、77年ソロの第1弾シングル「朝まで踊ろう」と同じポーズで撮り下ろした。

 主演映画「さらば あぶない刑事」(村川透監督、来年1月30日公開)の主題歌「冷たい太陽 ファイナルバージョン」も収録される。テレビシリーズのエンディング曲として86年に発表された曲の再録音版。舘が近年こだわるジャズ調を意識したリズムが印象的で大人の曲に生まれ変わった。ボーカル音も録音を繰り返し、バックミュージシャンにも抑揚をつけるように求めるなどこだわり抜いた曲に仕上がった。アルバムにはこのほど見つかったドラマ「あぶない刑事」のオープニング曲「She’s So Good」のデモバージョンも収録される。

 12月13日にはブルーノート東京でデビュー40周年とアルバム発売を記念したスペシャルライブ開催も決定。こちらも舘の音楽人生をたどる濃密なライブとなりそうだ。