1989年に公開された米映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー・パート2」で、主人公のマーティが30年後の未来にタイムトリップした日が、2015年10月21日。「バック・トゥ・ザ・フューチャーの日」として全米が熱狂する中、米ABCテレビの人気トーク番組ジミー・キンメル・ライブに、俳優マイケル・J・フォックス演じるマーティとクリストファー・ロイド演じるドクが、30年後にタイムトリップしてきたと言う設定で登場した。

 劇中と同じ衣装に身を包み自動車型タイムマシン「デロリアン」に乗って会場に現れた2人は、空を飛ぶ車が現実化されていないことを知り嘆いたり、トイレで携帯電話でテレビ動画が見られることに驚くなど、2015年の世界に興味津々の様子。

 司会者のキンメルからこの30年間の進歩が、ドーナツとクロワッサンを融合した食べ物「クロナッツ」だと紹介されると、マーティは「ドク、2015年は最悪だ」と言って会場を笑わせた。

 また、悪役ビフはどこだと聞かれたキンメルが、「彼なら大統領候補選に出馬しているよ」と語り、この役のモデルが大統領選で共和党候補の座を争っている不動産王ドナルド・トランプ氏であることも明かされた。その後もキンメルの携帯電話でセルフィをするなど、現実の世界を体験した2人。

 最後は「ここは不必要なテクノロジーで人類の進化が止まったもう一つの未来だ」とドクが語り、マーティをおいてその原因を探るために1人で1985年に戻ると言うところで物語は終了した。

 全米ではこの日を記念し、劇中に登場したペプシがオンラインで限定発売されたり、ナイキも同じく劇中に登場した自動靴ひも締めスニーカー「Nike Mag」を完成させたことを発表しており、ファンの間ではどこまで映画の世界が現実化されたか話題になっていた。(ロサンゼルス=千歳香奈子)