テレビドラマシリーズ「HEROES/ヒーローズ」でヒロ・ナカムラ役を演じて大ブレイクし、ハリウッドで最も成功した日本人の一人となったマシ・オカ(40)。現在はアメリカで俳優とプロデューサーとして働いている彼が、自身の経験も振り返りながらハリウッドで日本人が活躍することについて語ってくれた。

 「トランスフォーマー/ロストエイジ」(14年)のリー・ビンビンや「X-MEN:フューチャー&パスト」(14年)のファン・ビンビンなど、近年ハリウッド映画やテレビドラマでアジア人俳優が出演する作品が増えている。マシ・オカはこの動向について、「中でも中国人の俳優が大半の役を占め、その背景としてお金はもちろんのこと、政府がバックアップしているから。(中国が)自国で優良な俳優を育て上げハリウッドに送り出す際、最低でも一人は必ず現地で活躍できるようにサポートをしている」と語る。映画製作には巨額の資金が必要だが、映画市場が急速に成長している中国は多くの投資をしており、ハリウッドにとって大切な資金の供給源。こういった背景から、中国市場を意識したハリウッド映画は増加傾向にある。

 その一方で、ハリウッドで活躍する日本人は極めて少なく、マシ・オカは彼らがハリウッドで成功することについて聞かれると、「他国と比べて厳しい」と明かす。「日本は中国のように国を挙げて俳優たちを最初から最後までサポートすることはないから、俳優が活躍できるかどうかはすべて彼らの実力次第。日々競争が激しいハリウッドで、日本人が活躍するために求められているスキルは英語の能力を高めることでネーティブのように話せないと役の範囲が狭まり、出演できる映画の数も限られてしまう」と日本人がハリウッドで活躍する難しさを解説。さらに、「テレビシリーズだと撮影期間が短いためスピード力と監督やキャストとのコミュニケーション能力も必要になってきて、さらに役をつかむことが難しくなる」と続ける。

 そんな厳しい状況の中でもマシ・オカは、「まずはオーディションを通らないと役を与えてもらえないから、大変ではあるけれど、(日本人にも)できるだけチャンスを与えたい」と今後の日本人俳優の活躍に期待を寄せる。マシ・オカ自身ハリウッド版デスノートの実写化のプロデューサーを務めることになり、本作品で日本人俳優を出演してもらえるように交渉したことも明かしている。

【ハリウッドニュース編集部】