歌舞伎俳優市川月乃助(46)が来年1月「初春新派公演」(東京・三越劇場)から劇団新派に入団することが決まり、16日都内で、会見が行われた。同年9月に2代目喜多村緑郎を襲名することも発表された。初代緑郎は、明治、大正、昭和にかけて新派の女形として活躍、人間国宝に認定された名優。

 月乃助は「本当に大変光栄。同時に、ものすごく身震い、身の引き締まる思いです」。5年前に初めて新派公演に参加した月乃助は「(13年の)『婦系図』をやった時に、ここに骨をうずめたいと思った」と振り返った。

 会見には新派の水谷八重子(76)波乃久里子(69)も出席、水谷は「月乃助さんに新派にお入りいただけるなんて夢のよう」と大喜びだった。

 月乃助は94年に、市川猿翁(3代目市川猿之助)の部屋子となり、歌舞伎で活躍してきた。猿翁は月乃助の新派入団に文書でコメントを寄せ「私の元で修業を重ねた経験を生かし、この大名跡にふさわしい華のある役者になっていってほしいと願っております」と祝福した。

 歌舞伎から離れることについて月乃助は「30年近く猿翁の元で修業をしてきたので、寂しい気持ちはないといったらうそになります。ただ、歌舞伎の方からお話があれば出演させていただきたい」と話した。