今年の上半期に大ヒットした映画「シンデレラ」に続き、「リトル・マーメイド」(2016年全米公開)や「美女と野獣」(2017年全米公開予定)など、ディズニー名作アニメの実写化が続いている。米ニュースサイト「QUARTZ」によると、「くまのプーさん」や「ダンボ」の実写化も予定されているとのこと。ここ数年でこんなにもディズニーが実写化を進めている背景には、どんな理由が隠されているのだろうか。

 まず挙げられる理由は、観客がすでに知っている有名作品を実写映画化することで、失敗するリスクを抑えられるということ。さらに、有名女優を起用することによって、映画がヒットする確率はさらに高くなる。昨年公開された「マレフィセント」では主演をアンジェリーナ・ジョリー、「イントゥ・ザ・ウッズ」では魔女役をメリル・ストリープ、とアカデミー賞女優を大胆に起用。有名作品を有名女優で実写化することで、限られた予算で確実に利益を上げることができる。

 一方で全く新しいアニメーションムービーを作ることは、それなりにリスクがある。多額の予算を積んだとしても、ゼロから生み出した映画はヒットする保障はない。「アナと雪の女王」(14)は大ヒットを記録したが、ここ数年アニメーションムービーでのヒット作は少ない。

 実写化映画は、アニメーションムービーよりも多くのターゲット層を獲得できることもメリットの一つ。アニメーションムービーとなると、観客は家族連れか若者が中心となる。大人だけでは映画館に足を運びづらく、アニメ作品に興味がある人も年齢層が上がるにつれて少なくなる傾向にある。しかし実写化映画となると大人のみでも鑑賞しやすく、俳優や女優目当てで映画を観に行く観客も増える。

 近年アニメーションムービーでヒット作が少なくなったディズニーにとって、実写映画化はディズニーにとって大きな切り札といえそう。この実写化の波はどこまで続くのだろうか。

【ハリウッドニュース編集部】