NHK連続テレビ小説「あさが来た」(月~土曜、午前8時)で、俳優ディーン・フジオカ(35)が演じ、史実通りに1月22日放送分で亡くなった“五代様”が再登場することが4日、分かった。

 制作統括の佐野元彦担当プロデューサーによると、「五代様ロス」の反響の大きさと、波瑠演じるヒロインあさの師匠的立場の設定の重要度と、双方を勘案した結果「回想ではなく、撮りだめしていた分を新たに放送する」ことを決めたという。

 再登場するのは22日放送分で、トラブルに見舞われたあさが「夢を見て、東京と大阪を駆け回り元気だったころの五代友厚を思い出す」という設定。これまで通り、五代様の言葉を得て、苦難を乗り越える流れになる。

 佐野氏は「もともと、再登場は考えてはいましたが、(死去後の)反響の大きさから『これは再び、出さなきゃいけない』と思った」と再登場の理由を説明した。

 またこの日、NHK大阪放送局で、定例会見を開いた正籬聡(まさがき・さとる)局長は「五代様は史実に近い形で亡くなって、分かってはいたし、新しいキャストの方がまた活気づけてくれるのもあるんですけど、それでも、このあとどうなるのかな? と複雑な気持ちがあった」。1人の視聴者として、率直に死去場面を振り返った。

 正籬局長は立場上、五代友厚が尽力した大阪商工会議所の関係者ともつきあいがあったが「商工会議所の方からも『死んじゃうんですか』と聞かれた」と苦笑。また、前日3日には、成田山で、波瑠、玉木宏ら朝ドラキャストによる豆まきが行われ、その席上で「五代様は(豆まきに)来ないんですか?」との声もあったことを耳にした。

 五代様フィーバーを実感した正籬局長は「再登場するということで、私自身も、もう一回あると思い、楽しみにしています」と話していた。