第37回ヨコハマ映画祭で脚本賞を受賞した足立紳氏が7日、横浜市の関内ホールで行われた同映画祭の授賞式で、受賞対象作「百円の恋」の武正晴監督とともに動いている、新作映画の企画があると明かした。

 「武監督と、雪男を探す、おじさんの話をやろうとしていまして。もう台本はできています。何とか形にしたい」と語った。

 また足立氏は、作家デビュー作「乳房に蚊」(幻冬舎)の出版も25日に控えている。もう1つの受賞対象作で、ヨコハマ映画祭で4冠を受賞した「お盆の弟」(大崎章監督)で描いた、渋川清彦演じる主人公の売れない映画監督と渡辺真起子演じる妻の前日談のような物語だという。

 「渋川さんと渡辺さんが演じた夫婦関係になる前の、グダグダ、ドロドロの夫婦関係を描いたような小説です。タイトルの『乳房に蚊』は、編集の人に言わせると、おっぱいに止まる蚊のような男の話だから、ということです。いまだに『お盆の弟』で、渋川さんが演じた、監督のような生活をしている。これを機に抜け出せたらいいなと思っています」と言い、笑みを浮かべた。